青々と茂る夏草に覆われてしまい隠れるように存在する隧道。
岡山県道35号倉敷成羽線、倉敷市と矢掛町の境界に位置する富トンネル。
おわかりいただけただろうか?
右手に続く廃道。
その奥で口を開く古びた隧道。
地元では心霊トンネルとして有名な物件。
昔、近くで殺害された女性の霊が出没すると噂される。
また、ここで写真を撮ると、赤い光が写りこむという。
う―――ん、紫色のようだね。
倉敷市側の入口は厳重に金網が張られている。
が、隧道内に侵入する不届き者がいるらしい。
いけません。
無断侵入は霊よりも厄介なことになるから止めておけ。
銘板「道墜富」。
諸元不明。
矢掛町側は県道を迂回する旧道の先。
道路脇に隠れるようにある。
旧県道からは、ほぼ緑に覆われた状態でたたずむ。
下部は厳重にバリケードが張られ、上部は金網が張られている。
が、穴。
そう、穴。
銘板「道墜富」。
諸元不明。
新トンネルの両側に歩道が整備されているので、徒歩での通行可。
諸元。
真ん中付近が倉敷市と矢掛町の境界。
トンネルを抜けると矢掛町だった。
旧富墜道はトンネルを抜けてすぐ右。
旧県道から新トンネル全景。
トンネルの直前、道路から下を覗いてみるとせせらぎ。
せせらぎは大渡川。
矢掛町から倉敷市。
諸元。
歩道は狭い、猛スピードで通過する車両には要注意。
全長210メートル。
入ったと思ったらすぐ出口。
短っ!!短縮できる時間はせいぜい1分程度。
無用のようにも思える新トンネルはなぜ造られたのか。
旧隧道に霊が出没するからだともいわれるが、実際には開通から約50年を経て劣化が進行していること加え、矢掛町側旧県道側面の土砂崩落が新トンネル建設の理由ではないだろうか。
また、大した時間短縮にならずとも、どうしても造らなければならない大人の事情があることも考えられるが、そのことには触れない方が無難。
◆旧富隧道 諸元
所在地:岡山県倉敷市玉島道口-小田郡矢掛町横谷
全長:-メートル
幅:-メートル
高さ:高さ-メートル
開通年:1955(昭和三〇)4年
閉鎖年:2003(平成一五)12年
◆富トンネル 諸元
所在地:岡山県倉敷市玉島道口-小田郡矢掛町横谷
全長:210メートル
幅:8.5メートル
高さ:高さ4.7メートル
開通年:2003(平成一五)年12月
閉鎖年:-(-)年