牛の形に例えられる小豆島、前足部分に当たる三都半島。その先端に位置する絶景スポット「釈迦ヶ鼻」。

 

 

四国十景や讃岐百景に選定されている。

 

 

古来、お釈迦様が祭られ、近郷の人々が卯月八日にお参りしてにぎわっていたことからそう呼ばれるが、地元では「地蔵崎」の名称の方がメジャー。

 

周辺に人家がないため喧騒とは無縁。

 

 

耳に入るのは波と風の音だけ。

 

 

おわかりいただけただろうか?ここは知られていない島内屈指の夕日スポットでもあることを・・・

 

青い海と白い砂浜。

 

 

この砂浜では、ドラマ『八日目の蝉(NHK総合|2010年3月30日-5月4日|毎週火曜日22時00分-22時43分)やドラマ「ラブレター」(TBS|2008年11月24日-2009年2月20日|月-金曜日13時00分-13時30分)でロケーション撮影が実施された。

 

 

時には奇妙なオブジェが出現する。

 

 

稀に祭祀場の様相を呈し、怪しい雰囲気を醸していることもある。

 

 

地蔵埼沖合は播磨灘から備讃瀬戸に入るもっとも狭い部分で、速い潮流が複雑に渦を巻き、昔から船の難所とされてきた。

 

 

沖合の備讃瀬戸東航路を含む備讃瀬戸航路は、南北に本州と四国、東西に関西と九州結ぶ海上交通の大動脈。

 

 

この海域を通過する船舶は、1日あたりおよそ710隻で全国第2位の交通量であることから「海の銀座」とも呼ばれる。

 

 

1935(昭和10)年7月3日夜半すぎ、濃霧に包まれたこの海域で、大分県別府港から神戸市へ向かっていた旧大阪商船の客船「みどり丸」(1,724㌧)が大連汽船の貨物船「千山丸」(2,775㌧)に激突され、3分ほどで沈没した。乗客乗員約230人のうち乗客92人と乗組員6人が死亡、乗客8人と乗組員1人が行方不明となった。

 

事故後、海の安全航行を願って島の有志でつくる「小豆島徳風会」が事故現場を望む小豆島町の釈迦ケ鼻に「徳風地蔵菩薩像」を建立。

 

 

犠牲者を供養や安全祈願祭を執り行った。

 

 

頻繁に訪れる場所ではないが、いつも草が刈られ新しい花が供えられており、ここが大切にされていることが窺えた。

 

 

2000年代初め頃まで徳風地蔵菩薩立像までのアクセスは、地蔵埼灯台からの細い遊歩道のみで、夏などは下草が刈られいても立ち入ることが憚られた。

 

 

なぜって、この看板を見よ。

 

 

「ヤメとこ」きっと誰もがそう思う。

 

2003年末の頃、沖を航行するフェリーのデッキから地蔵菩薩立像周辺の雑木が伐採されているのを確認。2004年正月に遊歩道を下ってみると様相は一変。

 

 

左に小型ユンボが2台、右に大型ユンボが1台絶賛造成中。

 

 

上の方にも大型ユンボが1台おる!

 

 

地蔵埼灯台から神ノ浦へとつながる町道を下って確認してみた。

 

 

おおっ!!

 

 

広範囲に斜面を削るなど、大規模な造成工事が実施されていた。

 

 

何ができる?

 

 

駐車場と近代的なお手洗い、眺めの良い広場を備えた「釈迦ヶ鼻園地」。

 

 

入場無料。

 

 

出入自由。

 

 

広場にはベンチち藤棚が設置された。

 

 

ベンチに腰掛けて目の前を通過する定期フェリーを眺めることが出来る。

 

 

但し、経営不振のため2021(令和3)年3月31日を以て休航(事実上の廃航←口にすると怒られるやつ)

 

 

砂浜へのアクセスも容易になった。

 

 

ただし「まむし注意」。

 

 

以前砂浜には、当地の由来となったお釈迦様が祭られていた釈迦堂があった。

 

 

強烈な日光や強い潮風に曝される釈迦堂の劣化は激しく、幾たびも修繕が実施されてきた。

 

 

しかし、ほぼ廃墟化。

 

 

このため2010年頃に同園地広場の一角に移転された。

 

 

道内には由来などが掲示されている。

 

 

また、徳風地蔵菩薩へのアクセスも容易になった。

 

 

但し、日が暮れたら真っ暗になる。夕日を見たら早くおうちに帰ろう。

 

◆概要

名称:瀬戸内海国立公園釈迦ヶ鼻園地

所在地:香川県小豆郡小豆島町蒲野

駐車場:有

アクセス:池田港から国道436号・香川県道250号三都港平木線経由約13km20分

◆参考資料

四国災害アーカイブス|昭和10年の濃霧

日本の重大海難 -海難審判所