インターネット上で流布されている都市伝説に凸撃するシリーズ第4弾。

 

電子掲示板2ちゃんねるにおける2011年7月5日午前1時すぎの奇妙な書き込み。

 

土曜日の話

鳥取ってド田舎でよ、かなりの車社会なのよ。

 

汽車(ディーゼル車の事な)なんか地元帰ろうと思っても大体一時間に一本くらい。

普段は車で出て代行に預けて代行で帰るんだけど、土曜日の飲みには久しぶりに汽車で出たわけ。

んで、十何年ぶりかに汽車に乗るから、帰りの時間を見てから飲みに出るわな、大人だから。

 

最終は10時18分の因美線下りだったか。

夕方から飲んで、結構酔っぱらったんだが、まぁ割りと普通だった。

 

んで、10時頃駅について、汽車まってたんだが、待ってたホームと違う方に入ってきて、うお、ヤベーヤベーって急いで走って汽車に乗った。

 

俺と数人しか乗ってなかったんだが。

地元まで時間あるし、良い気分だったもんで、アラームセットして軽く寝たんよ。

 

どれ位寝たか良く覚えては無いんだが、急におっさんに

「おい、オメーなんしょーるだいや、早く降りな!」

って叫ばれて、寝起きだったのとおっさんに起こされたパニックであわてて汽車おりたんだわ。

降りたらすぐドア閉まって発車した。

 

しばらくパニックになってたんだけども、あれ、ここ何処?

ってなって、さらにパニック気味になったんだけど、取り敢えず場所確認しようと思って、何駅かみてみたら、「はい(り?)じま」って書いてあって、

「うわー、間違えて山陰本線の方に乗ってしまったんかなー、参ったなー」

と思ってたのよ。

 

まあ、場所はわかったんで連れに電話して迎えに来てもらう事にした。

んで、電話でのやり取り

 

連れ「なんしょーるお前バカじゃねーの」

俺「すまん、焼き肉で手を打ってくれ」

連れ「二回おごれ、んで、何処?」

俺「多分山陰本線の方のはいじまって所」

連れ「は?何処?」

俺「いや、だけー、はいじま、いや、はりじま?っつーとこ。」

連れ「、、、オメー何処におるん?山陰本線にそんな駅ねーで。」

俺「いや、実際おれここに居るし」

連れ「いや、マジにそんな駅ねーし。」

 

このやり取りでかなり不安になったんで、電話つないだまま駅出た。

そしたら、周り何もねーの。

さすがの田舎でも駅周辺に家はある。

でも、そこ何もねーの、電灯しか。

 

すげー怖くなったんで、取り敢えず道に出て安心したかったから、駅でて道沿いに歩いた。

電話しながら。

そしたら、電話が圏外になってしまって、いよいよ道と電灯しかなくなったんで、完全にパニックになった。

 

とにかく家とか人の気配が感じられる所にいきたかったんで、走ったねー、いやー、走った。

10分位走ったら結構遠くの方に車が走ってるのがちらっと見えたんで、もうそこまで全力疾走ですよ。

 

広い道に出たら自販機があって人がおった。

普通に車も走ってた。

電話見たらバリ2だった。

自販機の所におったにいちゃんに場所聞いたら、青谷だと。

 

んで、あっちの方から走って来たんだけど、はいじまって駅あるか?って聞いたら、あっちは山しかねーのに駅なんかあるかいなwって言われた。

 

取り敢えず連れに電話して青谷まで迎えに来てもらった。

んで、昨日、俺が出てきた所に連れと二人で見に行ったら、その道の先は川沿いの公園みたいな施設しかなかった。

 

もう、正直、意味がわからん。

今までこんな事は一度も無いし、連れにも怒られるし。

 

ただ、取り敢えず帰ってこれたんはマジに良かった。

あのおっさんが起こしてくれたお陰か。

 

俺は何処におったんだろーか。

 

これがフジテレビ系で不定期水曜日19時00分-20時00分に放送されている『世界の何だコレ!?ミステリー』の今年9月21日に番組で取り上げられ、初出から約10年を経て再び人々の耳目を集めた。

 

はいじま駅・・・!?

 

拝島駅は東日本旅客鉄道と西武鉄道の駅が乗り入れる実在する駅だが、所在地は東京都昭島市と福生市で鳥取県には存在しない。

 

しかし、因美線には似た名称の「土師駅(はじえき)」が実在する。

 

 

因美線は鳥取県鳥取市の鳥取駅から岡山県津山市の東津山駅に至る西日本旅客鉄道の鉄道路線で路線距離70.8kmに19駅が存在する。

 

土師駅は起点である鳥取駅から数えて11番目の駅で津山駅管理の無人駅。

 

 

鳥取県八頭郡智頭町大字三吉字又衛門田に所在する岡山支社管内では最北の駅。

 

 

なお、1999年(平成11年)10月までは当駅および一駅南の那岐駅も鳥取鉄道部管内であった。

 

 

隣の智頭駅から北は米子支社鳥取鉄道部の管轄となり、指令上の境界は智頭駅。

 

 

1932年(昭和7年)7月1日、鉄道省(国有鉄道)因美線智頭 - 美作河井間延伸時に開業。

 

 

1987年(昭和62年)4月1日、 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道の駅となった。

 

 

土師駅は単式ホーム1面1線を有する地上駅(停留所)。

 

 

木造トタン張り駅舎は解体され代わりに小さな待合所が建てられた。

 

 

出入口は東側のみで駅周辺に住宅が10戸ほど建っている。

 

 

駅の西側は水田と山林。

 

 

夜は闇と静寂に包まれる。

 

 

酔っぱらって「はじ」を「はいじま」と見紛うこたのか?

 

 

それとも実在しない路線に乗って実在しない駅で降りてしまったのか?

 

 

現在、鳥取駅発因美線下りの最終列車の発車時刻は21時48分。

 

もし22時18分の臨時最終列車があったとしてもそれは実在しない路線を走るゆうれい列車かもしれない。

 

 

決して乗ってはいけない。

 

寝過ごすともう二度と帰って来られないかもしれないのだから

 

◆施設概要

【名称】土師

【所在地】鳥取県八頭郡智頭町大字三吉字又衛門田29

【所属事業者】西日本旅客鉄道株式会社

【所属路線】因美線

【キロ程】35.6km(鳥取起点)

【駅構造】地上駅

【旅客ホーム数】1面1線

【乗降客数】50人/日(2015年)

【開業日】1932(昭和七)年7月1日

●周辺施設

特になし

 

◆参考文献

『山陰駅旅』 今井印刷 発行

『鳥取駅旅』 今井印刷 発行