マルーンカラーの電車が行き交う駅ホームの屋根を突き抜けて立つ楠。

 

 

神棚と注連縄が設けられている。

 

 

駅利用者が足を止めて手を合わせたり、通るついでに撫でたりしている光景が日常的に見られる。

 

 

「服部天神駅」は、阪急電鉄の前身箕面有馬電気軌道宝塚本線の営業開始と同時に開業した同社で最も古い駅のひとつで、近くの服部天神宮への参拝客の利用と、神社周辺に広がる入会地を購入して宅地分譲を図る目論みで、服部天神宮境内に開設された。

 

 

服部天神宮は、その名の通り菅原道真公とゆかりがある。901(延喜元)年、大宰府に左遷される旅の途上、この付近で脚気に罹り歩けなくなった道真公が少彦名命を祀る服部の祠に詣でたところ、脚気が治り歩けるようになったという言い伝えから「足の神様」として知られるようになった。

 

 

駅開設の際、御神木の楠をそのまま残したため、今日、不思議な風景が見られるようになった。

 

 

 

 

なお、開業当初は「服部天神駅」だったが「服部駅」に改称。2013(平成二五)年12月21日に再度「服部天神駅」に再度改称した。

 

 

上下線の改札口が分かれているため、改札内でのホーム間移動は不可能。

 

◆施設概要

【名称】服部天神

【所在地】大阪府豊中市服部元町一丁目1番1号

【所属事業者】阪急電鉄

【所属路線】宝塚本線

【キロ程】宝塚本線7.5km(梅田起点)

【駅構造】地上駅

【旅客ホーム数】2面2線

【平均乗降客数】23,909人/日(2017年度)

【開業日】1910(明治四三)年3月10日

 

◆参考文献

『知れば知るほど面白い阪急電鉄』 野沢敬次 著 洋泉社 発行

『“ツボにはまる”鉄道珍百景』 坪内政美 著  天夢人 発光 山と渓谷社 発売

「旅と鉄道 2020年1月号」 天夢人 発行

「週刊歴史でめぐる鉄道全路線大手私鉄11 阪急電鉄1」 朝日新聞出版 発行

「週刊私鉄全駅・全車両基地13 阪急電鉄2」 朝日新聞出版 発行