福屋は広島初の百貨店として1929(昭和四)年8月開業、今年創業から90年を迎えた。

 

 

オーナーの大下家は、殺虫剤や電気蚊取り器「ベープ」などの衛生薬品の製造・販売で知られる日用品メーカーのフマキラー一族。

 

 

現在、八丁堀本店は本館・東館・南館・別館・食品館の5館で構成されている。

 

 

1974年(昭和四九年)10月10日に開業した廣島そごう、1994年(平成六年)4月22日に開業した廣島そごう新館に売上高で水をあけられていたが、2000(平成一二)年7月12日にそごうグループが1兆8,200億円の負債を抱えて事実上倒産。現在は福屋八丁堀本店の売上高がそごう広島店を上回り、広島地区第1位となっている。

 

広島のメインストリート相生通りに面して建つ白亜の殿堂「福屋八丁堀本店」本館は、1936(昭和一一)年5月着工、1938(昭和一三)年4月竣工。設計は小田急南新宿ビル(旧小田原急行電鉄本社)や和光(旧服部時計店)、天満屋岡山店や第一生命館などを手掛けた近代日本の建築家・渡辺仁。

 

 

竣工当時地上8階・地下2階、SRC造、延床面積約11,000平米。当時としては珍しい全舘冷暖房設備で外壁には淡黄色のテラコッタが貼られた。

 

 

太平洋戦争中には建物のほとんどを大日本帝国陸軍に接取された。

 

太平洋戦争末期の1945(昭和二〇)年8月6日、アメリカ軍が投下した原子爆弾の爆心地から710メートルで被爆。その爆風と火災によって躯体と外壁を残して廃墟と化した現存する被爆建造物。

 

 

終戦後はその一部を連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)に接取される。

 

 

1953(昭和二八)年6月全館復旧、1956(昭和三一)年10月第1次増床完成、1964(昭和三九)年10月第2次増床完成、1972(昭和四七)年9月第三次増床完成時に外壁が全面的に改修復元され、本館部分が現在の形となった。

 

 

1975(昭和五〇)年6月第4次増床東館完成を以て、八丁堀本店が現在の形となった。

 

 

1998(平成一〇)年11月、本店から約450メートル北東に立地する福屋幟町駐車場ビル1階に福屋食品館FRED(フレッド)がオープンした。

 

 

屋上を閉鎖する地方百貨店が多い中で、同店は絶賛解放中。

 

 

福屋とともに歩んできたお稲荷さん。

 

 

御由緒

 

御祭神

宇迦之御魂神

 

この小祠は昭和四年福屋が広島市で最初の百貨店としての開業にあたり総本社伏見稲荷大社より勧請いたしました

昭和二十年八月六日には原爆の罹災に遇いましたが戦後直ぐに復旧し今日に至っております

御祭神の御神徳は人々の生命を守り育てくれる祖神、五穀食物の守り神、商売繁盛、商取引の守り神、一年中の幸福守護の神、人々の心を清め災厄を祓う神という五つの御利益により私達の日々の生活をお守り下さる神様です

 

どうぞご自由にご参拝ください

 

以上、駒札を全文転載。

 

 

なお、屋上神社参拝に加え、御朱印の授与も可能。

 

社旗が掲揚されている塔の下は社長室・・・

 

 

ではなく、お子様の遊び場として開放されている。

 

 

東館出入口から本館へと続く通路の左右に不自然な幅広で高い扉が存在している。これは電車通り(相生通り側)の納品場からトラックが売場通路を横切り店舗奥に進入するために設けらているもので、営業終了後に使用されている様子が窺えた。

 

 

◇店舗データー

・2015年度

福屋八丁堀本店

広島市中区胡町6-26

TEL082-246-6111

営業時間=平日・日曜日10時00分~19時30分、金・土10時00分~20時00分、レストラン街11時00分~21時00分

売場=B1~12F

売場面積=-平方メートル

年商=51,514百万円

33/210(15年度百貨店店舗別売上ランキング)

ホームページ 広島の百貨店 福屋

 

※参考資料(2000年度)

福屋

売場面積=91,595平方メートル

年商=60,912百万円※分店売上合算

30/1000(00年度大型店舗ランキング)

 

◆参考文献

『流通・消費2017 勝敗を決める18のルール 日経MJトレンド情報源』 日経MJ(流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行

『流通経済の手引き2002年版』日経流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行

「月刊ストアーズレポート 2018年6月号」 ストアーズ社 発行

「月刊ストアーズレポート 2000年5月号」 ストアーズ社 発行