器物は百年経つと魂が宿り化けるといい、大切に扱われた物は恩を返し、粗末にされた物は仕返しするといわれている。

 

 

昔、履物を粗末にする家があり、毎夜「カラリン、コロリン、カンコロリン、まなぐ三つに歯二ん枚」という声が聞こえてきた。その正体を確かめようと、ある夜、戸のすき間からそーっと覗いてみたら、ばけぞうりがいつも履物を投げ捨てておく物置の隅へ入って行ったという。

 

 

化け草履は、「付喪神」といわれるものの一種で「つくも」は「喪」が付くと書くが、これは当て字で、本来は「九十九」の神と書いて「つくもがみ」と読む。

 

 

これは「多種多様な万物」や「長い時間経過や経験」を意味し、「多種多様な万物が長い時間や経験を経て神に至る物になること」の例えである。

 

 

「物には魂が宿っている」とか「物に持ち主の魂が宿る」と考えている人は多く、「物を大切にする」「物に感謝する」といったことで、いまでもお世話になった物に感謝して供養する「針供養」や「ハサミ供養」などの行事がある。

 

 

物を大切にしないと、化けて出ちゃうぞ。

 

 

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物を大切にしよう!!

 

◆初出

「化けぞうり」(新編ゲゲゲの鬼太郎) 『週刊少年マガジン』 1986年8月27日(No.37)号 講談社発行

◆アニメ版概要

第3シリーズ 第99話「はきもの妖怪化けぞうり」 1987年11月14日放送 (声 田中康郎)

第4シリーズ 第43話「反乱!妖怪化けぞうり」 1996年11月3日放送 (声 橋本晃一)

第5シリーズ 第53話「白山坊!ビバお化け屋敷」 2008年4月13日放送 (声 諏訪部順一)

第6シリーズ 第41話「怪事!化け草履の乱」 2019年1月27日放送 (声 )

 

◆参考資料

『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』 水木しげる 著 講談社 発行

『日本妖怪大事典』 水木しげる 画 村上健司 編著 角川書店 発行

『鬼太郎くんの仲間たち 妖怪「対比」図鑑』 水木しげる 監修 やのまん 発行

『アニメ版 ゲゲゲの鬼太郎完全読本』 1週間編集部 編 講談社 発行

『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪ファイル』 水木しげる 著 講談社 発行