古い町並みの奥まった場所にひっそりと、そしてでっかく佇む加茂中駅。
1916(大正五)年10月11日、簸上(ひかみ)鉄道開業時に、同線の駅として設置。1934(昭和九)年8月1日、簸上鉄道が国有化されたため、日本国有鉄道木次線の駅となった。
改札を抜けて左手スロープを上った先の構内踏切を越えてホームへと至る。
行き違い可能可能な島式ホーム1面2線で運用されている。
ホーム上に設置された鬼太郎のちゃんちゃんこカラーをした謎の小箱の正体は「屋外電話機箱」。
木次線全16駅のうち木次駅以南の10駅に古事記神話に因んだ愛称が名付けられており、それ以外にはないはずなのだが、当駅ホームには「事代主命」の看板が設置されている。
木次線の各駅前には小さな庭園風の植栽が整備されていることが多いが、当駅は駅構内にもちょっとした庭園風の植栽が施されている。
2004(平成一六)年11月1日に周辺5町村が合併して雲南市が発足するまでは、当駅周辺が旧加茂町の中心であった。
現在も古い町並みが残っており、往時の隆盛を感じられる。
ホーム上からチラリと見える「なんだだコレ?」な構造物。
旧加茂町が総工費21億円を注ぎ込んで1995(平成七)年に開館した複雑怪奇!奇妙奇天烈!奇想建築「加茂文化ホール ラメール」。
「ワンダーJAPAN日本の不思議な≪異空間≫500」に掲載された島根県が世界に誇る珍建築。
◆施設概要
【名称】加茂中
【所在地】島根県雲南市加茂町加茂中1128番地
【所属事業者】西日本旅客鉄道株式会社
【所属路線】木次線
【キロ程】8.740km(宍道起点)
【駅構造】地上駅
【旅客ホーム数】1面2線
【乗降客数】70人/日(2016年)※降車客含まず
【開業日】1916(大正五)年10月11日
●周辺施設
雲南市鴨文化ホール・ラメール 約600メートル 徒歩7分
赤川だんだん広場 約100メートル 徒歩1分
◆参考資料
『山陰駅旅』 今井印刷 発行