外浜街道と内浜産業道路を結ぶ寂しい道すがら、藪の向こうにチラリと見え怪しげな雰囲気漂う大篠津町駅。
ここを通りかかる人に藪陰からばらばらと砂をふりかけて脅かすあやかしが出るとか出ないとか!?
当駅は国鉄分割民営化による西日本旅客鉄道(JR西日本)が発足(1987年4月1日)以降初となる新設駅で、富士見町・三本松口・高松町・馬場崎町と同時に「御崎口駅」として1987(昭和六二)年11月1日に開業した。
当駅は境港に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する無人駅(停留所)で、米子駅が管理している。
ホームは狭く駅舎もないが、ホーム手前に山小屋風の待合所が設けられている。
米子空港(美保飛行場)の拡張工事で「大篠津駅」が800メートル境港側の新線上に移転。2008年(平成二〇年)6月15日に「米子空港駅」に改称した事により、駅名を残して欲しいという住民の要望があったたとこから「御崎口駅」から「大篠津町駅」に改称した。
旧駅の名残は踏切の名称に見られる。
全長17.9kmの境線全16駅には妖怪の愛称が付けられている。起・終点以外の中間駅14駅には、北海道から沖縄まで全国14ブロックの代表的な妖怪が冠されており、当駅の愛称は北近畿を代表する「砂かけばばあ」。
はっ!!
藪陰から砂をふりかけるあやかしは、彼女なのか!?
駅近く、藪の中にある廃屋は、悪魔ベリアルの魔法によって変わり果ててしまった砂かけアパートの様相。
一転、浜のナウやヤングやセレブなマダム御用達の婦人衣料品店などが駅前に軒を連ねていて、ちょっとしたSCの様相を呈している。
駅周辺は畑作地帯が広がっている。
ネギ畑の向こうに島の様にこんもりと茂る森は約2万年前に堆積した沖積層に現存する貴重な原生林で、地元の人たちから「御前さんの森」と呼ばれる米子市指定天然記念物「和田御崎神社 元宮社叢」。
なお、当駅の旧称「御崎口駅」の由来は「和田御崎神社」。
◆施設概要
【名称】大篠津町
【所在地】鳥取県米子市大篠津町2211番地
【所属事業者】JR西日本
【所属路線】境線
【キロ程】11.060km(米子起点)
【駅構造】地上駅
【旅客ホーム数】1面1線
【開業日】1987(昭和六二)年11月1日
●周辺施設
おしゃれセンターまつもと 約120メートル 徒歩1分
和田御崎神社 約400メートル 徒歩5分
山陰日本海漁師小屋 約750メートル 徒歩9分
アジア博物館井上靖記念館 約1キロメートル 徒歩12分
◆参考文献
『山陰駅旅』 今井印刷 発行
週刊JR全駅・全車両基地17「鳥取駅・境港駅・御来屋駅 ほか85駅」 朝日新聞出版 発行