個人的な見解ですが、水木しげる記念館の妖怪洞窟に潜む妖怪の中で、これは危険!というものが2体居ます。

 

そのうちの1体が「縊鬼(くびれおに)」。

 

 

水木しげるさんの著書『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』には“縊鬼というものは一種の憑き物のようなもので、川に落ちて死んだ者の霊が引っ張るとされ、川端でなんとなく死にたくなるのは、縊鬼のせいだといわれる”とある。

 

 

縊鬼は「いつき」とも読み、江戸末期の儒学者・鈴木桃野(すずきとうや)の随筆『反故のうらがき』には、人に取り憑いて首を括らせようとする一種の悪霊のようなものとして描かれている。

 

 

中国では「いき」と読み、死者が転生するためには身代わりとなる生者を自分と同じ死に方を指せることが条件とされ、縊死した者の死霊が生者に取り憑いて自分と同じく縊死させようとするものが縊鬼とされる。

 

 

この姿は、明治時代の日本画家、画報記者・久保田米僊の『夜窓鬼談』に見える。

 

 

なお、アニメ版『ちびまる子ちゃん』第33話「まるちゃんお化け屋敷に行く」の巻(1990年8月19日放送)にマイナーな妖怪として登場しています。

 

妖怪洞窟の縊鬼の前を一人で通る際にはお気を確かに。

 

 

なお、もう1体は内緒。

 

10年以上前に見た縊鬼のオブジェ。

 

 

現在、行方は知れず。

 

◆アニメ版概要

第4シリーズ 第9話「恐怖!妖怪くびれ鬼」 1996年5月12日放送

第5シリーズ 第62話「くびれ鬼が死をまねく」 」 2008年6月15日放送

◆参考資料

『決定版 日本妖怪大全 妖怪・あの世・神様』 水木しげる 著 講談社 発行

『日本妖怪大事典』 水木しげる 画 村上健司 編著 角川書店 発行