土曜19時30分よりNHK総合にて放送中の国民的紀行バラエティ番組『ブラタモリ』。

 

13日(土)に放送されたのは「宝塚」。

 

 

「宝塚」といえば「宝塚歌劇団」。

 

創始者は実業家・政治家の小林一三。

 

 

小林一三といえば「阪急東宝グループ(現 阪急阪神東宝グループ)」の創業者。

 

 

関西の人以外は宝塚歌劇団と阪急が結びつく人は少ないと思いますが、歌劇団は阪急電鉄の一部門のため、劇団員の身分は阪急電鉄の正社員。

 

また、映画・演劇の製作配給・興行などを行う「東宝」と「阪急」が結びつく人も多くはないと思いますが、社名の由来が「東京宝塚劇場」だったといえばピンと来るはず。冠は付きませんが、日比谷の帝国劇場や有楽町の東京宝塚劇場も阪急系。

 

1910(明治四三)年3月10日梅田-宝塚、石橋-箕面に阪急電鉄の前身「箕面有馬電気軌道」が開業。郊外の温泉地にスパリゾート施設の建設や沿線の宅地開発により乗降客の増加を図ったことやターミナル駅に百貨店を開業させるなど、一三が考え出したビジネスモデルは、わが国の私鉄経営の嚆矢です。

 

大阪梅田から宝塚までは、阪急宝塚本線(路線距離24.5キロメートル)の急行を利用して30分あまりで到着。

 

 

駅に隣接して第三セクター「ソリオ宝塚都市開発株式会社」が管理・運営する店舗・住宅複合ビル「ソリオ」が立地。キーテナントは阪急百貨店の支店「宝塚阪急」で、1993(平成三)年4月15日開業。

 

 

当初は子会社の株式会社宝塚阪急が経営。売場面積7,000平方メートルあまりの小型店ながら、開業時より順調に利益を上げる優等生支店として一目置かれる存在でした。売上高は90億~100億円で推移、直近では売場面積6,000平方メートルあまりで、78億4千万円を売上げており、売場面積が3倍の一畑百貨店松江店を若干下回るほどで、売場面積がおよそ2倍の鳥取大丸や米子高島屋よりも上回っています。

 

阪急宝塚駅から宝塚大劇場へは、駅前広場の「レビュー」像を左、ソリオ内の大階段で1フロア下った先。

 

 

阪急梅田駅にも共通するのは、大階段と長い通路。宝塚大劇場の玄関からホールに至る経路とよく似ています。

 

花のみちから見た阪急宝塚駅。

 

 

番組内でも触れられていたように、宝塚駅からの高低差は、宝塚大劇場周辺は武庫川の低湿地を開発したということが実感できます。

 

ブラタモリホームページ#95宝塚タモリのブラブラ足跡マップに沿って放送された宝塚をブラブラ検証。

 

・ルート1 オープニング

01.花のみち

 

阪急宝塚駅から宝塚大劇場へ続く段葛型道路で、1924(大正一三)年の宝塚大劇場開場により造成。宝塚歌劇へ続く花道という意味があります。

 

 

劇場中央ゲート前に小林一三翁の胸像が建立されており、そこから南寄りに3体のブロンズ像が設置されています。

 

 

レビュー

 

ベルサイユのばら

 

燕尾服の紳士

 

03.宝塚大劇場

 

花のみちを南下、手塚治虫記念館前交差点を右折すると、大劇場とマルーンカラーの阪急電車を一緒に見ることができる宝塚大橋。

 

 

宝塚大劇場西隣の駐車場跡地には、2020年春に宝塚ホテルが新築移転が予定されており、建設工事が進んでいます。

 

 

その規模は、地上5階地下1階、延床面積約23,000平方メートル、客室数約200室

 

・ルート3 明治以降の発展

02.「宝塚温泉」の石碑

 

1884(明治一七)年に武庫川岸で温泉発見。最盛期には70軒近くの温泉宿が建ち並んでいました。その当時の石碑が、阪急宝塚駅の正面、宝来橋南詰に立地するホテル若水にあります。

 

 

阪急宝塚駅からまっすぐ進み、武庫川に架かる宝来橋を渡った先、すぐにあります。

 

・ルート4 娯楽の殿堂の誕生

01.宝塚大劇場の立地を知る

 

武庫川左岸の湿地を埋め立ててリゾート開発。

 

 

02.再び宝塚大劇場へ

 

03.「宝塚新温泉」がわかる石

 

1911(明治四四)年に開業したスパリゾート「宝塚新温泉」の礎石。ここにつくった日本初の室内プールの失敗が宝塚歌劇団誕生の礎になりました。

 

04.「花のみち」と松

 

一段高くなっている段葛道路は、もともと武庫川の自然堤防で、松はその名残だということは、番組を見て初めて知りました。

 

◆参考文献

ビジネスの巨人シリーズ『小林一三』 小林一三研究室 編 アスペクト 発行

『流通・消費2017 勝敗を決める18のルール 日経MJトレンド情報源』 日経MJ(流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行

『流通経済の手引き2002』日経流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行