岡山駅前「市役所通り」の下石井一丁目交差点から東に延びる「県庁通り」を東進。天満屋岡山本店を右に見た先で岡山県道27号岡山吉井線と交差し、さらに東進。駅前から1.5kmほどで、通り名の由来である岡山県庁に行き当たります。
通りに面した東西約150mにも及ぶ長大なファサード。
設計は、近代建築の祖とされるル・コルビュジエに師事したモダニズム建築家の前川國男。
天神町の旧庁舎が戦火によって焼失したことから、1957(昭和三二)年岡山城二の丸跡地に当たる現在地で新たに建設。
現在の主である第18代岡山県知事の伊原木隆太氏は、県庁舎から約500m西に立地する地元百貨店天満屋の元社長(6代目)。
県庁通りに面した本庁舎の南に設けられた中庭を囲むように西庁舎と議会棟が配置され、それに加えて南庁舎の4棟から構成。
岡山県の行政を司る岡山県庁の他、岡山県警察本部や岡山県教育庁が置かれており、屋上には災害および緊急時に備えヘリポートが設置されています。
本庁舎正面ゲートより3階高のデッキが迫り出しており、ぐるりと回し渡されています。
3階までの低層部は柱が列を成して強調し、鉄のサッシとガラス、アルミパネルを組み合わせたカーテンウォール(帳壁)の4階以上高層部を支え上げています。
1971(昭和四六)年完成の西庁舎。
この先にあった南庁舎はすでに取り壊されており、その跡地には県警本部が建設されます。
なお、岡山県庁舎は、2016年にDOCOMOMO Japanより「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」のNo191に選定されています。
◆概要
名称:岡山県本庁舎(本館+東館)
所在地:岡山市北区内山下2丁目4番6号
設計者:前川國男
施工:竹中工務店
構造:SRC造
階数:地上9階・地下1階(本館)地下2階(東館)
高さ:不明
竣工:1957(昭和三二)年1月 ※東館は1991(平成三)年竣工
敷地面積:20,105.77メートル
建築面積:5,366.89平方メートル
延床面積:34,631.88平方メートル