大手百貨店三越伊勢丹ホールディングスが11月8日、2017年3月期第2四半期決算(2016年4~9月期)を発表。連結売上高は5,821億(前年同期比5.2%減)、本業の儲けを示す営業利益は61億円(同57.9%減)、経常利益は75億円(同55.0%減)で減収・大幅減益となった。インバウンド需要の大幅な減退により上半期の同社基幹店、伊勢丹新宿店、三越日本橋本店、三越銀座店の3店でも売上高が前年割れとなっている。

 

 

婦人・紳士服、特選宝飾などが苦戦。また、外国人売上が前年対比77%と大きく落ち込み、加えて日本人売上も前年対比97%と低迷。

 

同社の大西洋社長は、今年4月に歩引きからポイント還元としたエムアイカードのシステム変更も売上減の一因と分析している。

 

今後、営業利益が3年連続赤字、前年度債務超過、今後5年間のフリーキャッシュフローがマイナス10億円以上の見通しを評価基準として、店舗・事業を評価。大西社長は店舗閉鎖ありきではないとして、業態転換、リプレイス、業務提携などの判断を早期に行う「経費構造計画」を戦略再構築の柱のひとつにするとしている。

 

具体的には伊勢丹松戸店(千葉県松戸市)、伊勢丹府中店(東京都府中市)、広島三越(広島県広島市)、松山三越(愛媛県松山市)の4店舗の名前が挙がっている。

 

 

地域二番手以下で苦戦が続く札幌三越、仙台三越、福岡三越、伊勢丹相模原店なども営業形態や売場面積などの見直しが実施されるものとみられる。

 

 

また、JR大阪駅に直結する大型複合商業施設「ルクア1100(イーレ)」 の地下1階と地下2階にある伊勢丹の売場3カ所を来年1月に閉鎖すると運営者のJR西日本SC開発が4日発表している。

 

 

「2017年度(平成29年度)3月期 第2四半期決算説明資料」より2016年度通期予想(抜粋)

 

店名・社名  2016年度通期売上高予想  前期差

伊勢丹新宿本店  269,490百万円  △2,975百万円

三越日本橋本店  166,705百万円  △1,611百万円

三越銀座店  82,110百万円  △3,182百万円

伊勢丹立川店  35,192百万円  △2,188百万円

伊勢丹松戸店  17.945百万円  △1,280百万円

伊勢丹浦和店  40,262百万円  △1,635百万円

伊勢丹相模原店  20,331百万円  △2,618百万円

伊勢丹府中店  15,716百万円  △3,185百万円

札幌丸井今井三越  64,387百万円  960百万円

仙台三越  33,801百万円  △1,591百万円

名古屋三越  67,279百万円  △3,531百万円

静岡伊勢丹  19,543百万円  △334百万円

新潟三越伊勢丹  45,510百万円  △630百万円

広島三越  15,519百万円  △21百万円

高松三越  23,165百万円  △299百万円

松山三越  14,086百万円  △741百万円

岩田屋三越  114,956百万円  △2,366百万円