神奈川県を主な地盤とする老舗地方百貨店さいか屋のＪＲ川崎駅東口にある川崎店が本日、営業を終了し、およそ６０年の歴史に幕を下ろしました。
理由は、同店の建物の賃貸借契約期間（５年）が満了となることから、さいか屋がＭＭ投資組合に契約の更新を打診したところ、同組合側から更新を拒否されたためです。
■さいか屋 沿革
・１８６７（慶応三）年６月 雑賀衆（さいかしゅう）の末裔とされる岡本傅兵衛（おかもとでんべえ）が、に西浦賀で呉服店を開く。
・１８７２（明治五）年１０月２０日 海軍の設置で繁栄し始めた横須賀の将来性を見込み、横須賀で雑賀屋呉服店を開業する。
・１９２８（昭和三）年３月１日 従来の合名会社を改組し、株式会社雑賀屋を資本金５０万円で設立する。
・１９５０（昭和二五）年１１月１８日 不動産賃貸業の株式会社大洋会館を関連会社年設立する。
・１９５５（昭和三〇）年８月 大洋会館を株式会社川崎さいか屋（現在の株式会社さいか屋）に商号変更する。
・１９５１（昭和三一）年４月 本社を横須賀市から川崎市小川長１番地の現在の場所に移転する。同地に鉄骨鉄筋コンクリート造地上３階・地下１階の店舗が完成し百貨店として開業する。以降、多店舗化を推進する。
・１９６６（昭和四一）年７月 株式会社雑賀屋の百貨店部門を分割し、株式会社横須賀さいか屋を設立する。株式会社雑賀屋は雑賀屋不動産株式会社に商号を変更する。
・１９６９（昭和四四）年５月 株式会社川崎さいか屋は商号を株式会社さいか屋に変更する。
・１９６９（昭和四四）年９月 株式会社横須賀さいか屋と株式会社藤沢さいか屋を株式会社さいか屋が合併し、百貨店事業運営会社を一本化する。
・１９８９（平成二）年３月 ＣＩ導入。「さいか屋」のイニシャルＳに結実し、今まさにはばたこうとする鳥をイメージさせるマークにする。
・２００９（平成二一）年８月４日 ２月期連結決算で売上高約６８８億円、純損失約２６億円、有利子負債約２７０億円の債務超過に陥ったため自主再建を断念し、事業再生実務家協会に事業再生ＡＤＲ（裁判外紛争解決）の申請を行った。
・２００９（平成二一）年１２月９日 川崎店の不動産を不動産投資組合に約７６億円で売却し、リースバックして営業を継続することを発表する。
・２０１０（平成二二）年３月１９日 ＭＭ投資組合に川崎店の不動産を譲渡する。
・２０１１（平成二二）年５月１１日 横須賀店の大通館（旧本館）を閉鎖する。
・２０１５（平成二七）年５月３１日 川崎店を閉店する。
・２０１５（平成二七）年６月３日 サテライト型店舗（新）川崎店を川崎日航ホテルにオープン予定。
なお、川崎店の閉店後も横須賀店、藤沢店、町田ジョルナ店（東京都町田市）の営業は継続します。
今後もご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
◇新店舗概要
（新）さいか屋川崎店
神奈川県川崎市川崎区日進町1 川崎日航ホテル3F
営業時間＝10時～19時
売場面積＝約260平方メートル
開店日＝2015（平成二七）年6月3日
◇データー（2013年度）
さいか屋川崎店
神奈川県川崎市川崎区小川町1
TE044-211-3111
営業時間＝1Ｆ10時30分～20時/2Ｆ～7Ｆ10時30分～19時30分/8Ｆ11時～22時/BF10時～20時（※最終日は全館19時30分で閉店）
売場＝B1～8F
売場面積＝15,767平方メートル
年商＝106.39億円
149/213（13年度百貨店店舗別売上ランキング）
※参考資料（1999年度）
売場面積＝21,786平方メートル
年商＝234.04億円
122/1000（99年度大型店舗ランキング）
参考文献
『流通・消費2015勝者の法則 日経MJトレンド情報源』 日経MJ（流通新聞）編 日本経済新聞出版社 発行
『流通経済の手引き2001』日経流通新聞）編 日本経済新聞出版社 発行
「月刊ストアーズレポート 2012年6月号」 ストアーズ社 発行
「月刊ストアーズレポート 2000年5月号」 ストアーズ社 発行