1ヶ月あまり前、所用で香川県の実家に滞在。2月1日(日)付、讀賣新聞朝刊で初めて知った、県内に残る古い街並みと三角屋根の家。

 

宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07

 

妙な違和感を感じる、取って付けたようなアンバランスな建物。・・・見に行かねば!!

 

この三角屋根の家は、瀬戸大橋の袂に位置する、香川県で一番小さな町、宇多津町にあります。同町は人口減少による衰退が進む県内において、唯一、人口増加が続いており、40年で町民が倍増しています。

 

宇多津には、古代の頃、大和朝廷へと貢物を積み出す港が整備されました。南北朝時代から室町時代初期にかけて、宇多津城に守護所が置かれたため、四国の中心地となりました。かつては広大な塩田が広がっており、製塩業や交易で栄えていました。

 

1980年代以降、塩田を埋め立て、再開発が進められた結果、新都市が出現しました。瀬戸大橋開通にあわせ、JR宇多津駅が移転、高架化。また、ゴールドタワーなどの観光・商業施設や高・中層マンションの建設が相次ぎました。

 

新宇多津都市・「宇多津臨海公園」 2015.02.07
新宇多津都市・ゴールドタワー 2015.02.07


宇多津新都市のシンボル、ゴールドタワーなどの観光施設は、瀬戸大橋バブル崩壊後、観光客の急減で経営難に陥りました。しかし、地元企業により再建が図られ、見事に再生を果たしました。顧客を近場の子供連れ客などに定めた、遠くからお客を呼ぶより、近場のお客を逃さないといった発想の転換が効を奏したのでしょう。

 

宇多津町は、JR高松駅から快速、坂出駅で普通に乗換えて約40分。

 

JR高松駅 2015.02.07
JR高松駅 2015.02.07

 

駅の北西が「宇多津新都市」。

 

新宇多津都市・JR宇多津駅北口 2015.02.07

 

北東に位置する宇夫階神社から町役場周辺が、古い街並みが続く「宇多津古街」です。

 

宇多津古街・宇多津町役場 2015.02.07
宇多津町・宇多津古街 2015.02.07
宇多津古街・宇夫階神社 2015.02.07
宇多津古街・宇夫階神社 2015.02.07

 

件の三角屋根の家は、宇多津町役場のすぐ近くにありました。

 

宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07


「倉の館 三角邸」の看板が掛かっています。

 

この三角屋根を含む邸宅は、肥料販売業で財を成した堺吉太郎氏が別邸として建てたもので、2007年に国の有形文化財に登録されました。

 

宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07
宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07
宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07

 

倉の館三角邸の由来(旧堺邸)

 

この辺り一帯は高松藩の米の藩蔵や、綿(わた)、砂糖の会所があり、讃岐三白の集積地でした。現在の地名「倉の前」と「三角屋根」の景観に因んで「倉の館三角邸」と名付けられました。

 この敷地内に在る建物は、肥料販売業で財を成した(故)堺芳太郎氏が昭和初期に接客用のお座敷として建造したものです。

 純和風の一階は書院造の風格ある大広間を備え、雪見障子しつらえのお茶室もあります。二階の二つの和室にも、随所に趣向が凝らされており、総じて、贅を尽くした高価な建築材料、粋を集めた建具。調度品など目を見張るばかりです。

 狭小ながらも坪の内の石組み、飛び石、灯籠、蹲(つくばい)には、日本庭園の風情が伺えます。また、建物の一隅を占める避雷針の付いた「とんがり屋根」の洋館はハイカラなステンドグラスの窓に一新され、大正ロマンを彷彿とさせる構えとなっています。

 一階は書斎兼応接室、二階は子どもの勉強部屋とも言われ、螺旋(らせん)階段がありました。外観は「和と洋」の程よい和合を醸し、屋敷全体を囲む高い塀、閂(かんぬき)の掛かった重厚な門は、当時の堺邸の豊かさを象徴しています。

 旧尋常小学校の子どもたちには「三角屋根の家」と呼ばれ、格好のお絵描きの対象となりました。1996年(平成8年)に宇多津町が購入して改修保存し、現在は文化研修の場として大いに活用されています。

 

宇多津町

 

以上、案内看板より全文転載。

 

古いまちなみにあって、その目玉となる「倉の館三角邸」。

 

宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07

 

バランスが・・・

 

宇多津古街・倉の三角邸 2015.02.07

 

おもしろい。

 

◆概要

名称 倉の館 三角邸

所在地 香川県綾歌郡宇多津町2147-3

問合せ先 0877-49-8007(宇多津町教育委員会)