鳥取地方裁判所から南西にまっすぐ伸びているのが智頭街道。その歴史は古く、鳥取から智頭、山陽道へと抜けることから、かつては上方街道とも呼ばれ、参勤交代の行列が通る重要な街道でした。

 

現在でも鳥取地方裁判所や鳥取地方検察庁などの法曹機関、新聞社や通信社の支局、鳥取商工会議所などが立ち並ぶ市内有数の通りです。かつては、山陰で一番早くに開局したテレビ局「日本海テレビジョン」の本社も智頭街道沿いにありました。

 

比較的新しめの建物が多い中で、異彩を放っているのがクラシカルな外観が目を惹くこの建物。

 

わらべ館 2014.07.14

「童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム わらべ館」(通称:わらべ館)です。
 
わらべ館 2014.07.14

古い建物に見えますが、解体された旧県立図書館の外観を再現したものです。
 
わらべ館 2014.07.14

童謡・唱歌のふるさと鳥取のPRと、‘89鳥取・世界おもちゃ博覧会の成功を顕彰するために造られたもので、1995(平成七)年7月7日に開館しました。

未来に向けた過去の再現

 旧県立図書館は、鳥取大震災、鳥取大火にあいながらも長く県民に親しまれた建物であった。わらべ館の建設に伴い、解体されることになったが、保存を望む声が多く、外観を再現し、展示棟と一体にデザインされたユニークな施設である。
 建物は智頭街道に面して復元棟、その後ろに展示棟、多目的ホールがポケットパークを囲む形でコの字型に配置されている。復元棟1階にはラウンジや企画展示スペース、2階に童謡おもちゃのライブラリーが配置され、展示棟は3階構成で2・3階がおもちゃ展示、1階が同様展示のスペースになっている。
 復元棟と展示棟の間にはガラスで覆われたアトリウム(吹き抜け)空間があり、らせん状のスロープと透明なエレベーターからは展示スペースの間を移動しながら時代をへだてた新旧の建物を同時に見て時の流れを体感できる空間となっている。
 長らく県民に親しまれてきた昭和の建築は、再び新しい生命を吹き込まれて現代によみがえった。

 

わらべ館 2014.07.14

所在地 鳥取市西町3丁目202
建設年 平成7年
構  造 RC造一部S造
設計者 山本浩三

 

以上、『とっとり建築探訪 県民の建物百選』より転載

 

正面玄関前にある「たまごオブジェ」は、「誕生」と「創造」のシンボルだそうです。

 
わらべ館 2012.08.28

実は中に入ったことがありませんので館内レポートは、なし!!です。

◆概要
名称:童謡と唱歌とおもちゃのミュージアム わらべ館
所在地:鳥取市西町3丁目202
TEL:0857-22-7070
FAX:0857-22-3030
開館時間:午前9時~午後5時(※最終入館は午後4時30分)
休館日:毎月第3水曜日(※祝祭日の場合は翌日)、年末年始(12月29日~1月1日)
料金:大人500円(20名以上の団体400円)、外国人旅行者大人250円、高校生以下、障がい者、要介護者とその介護者はいずれも無料
駐車場:自動車用85台、バス5台、身障者用3台
ホームページ:童謡・唱歌とおもちゃのミュージアム わらべ館
 
◆参考文献
『とっとり建築探訪 県民の建物百選』 社団法人鳥取県建築士会 発行