地元の人たちが「座王」さんと呼び親しんでいる、恵曇神社に鎮座する石神。

 

恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

地図で確認してみると、恵曇には恵曇神社が二社あります。恵曇漁港近くにあるのは恵曇海邊社(えともうみべのやしろ)。座王さんがあるのは佐陀本郷の恵曇神社。

 

恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

恵曇漁港から島根県道37号松江鹿島美保関線を松江市内方面に約2km、3分ほど走ると左手に松江市役所鹿島支所が見えてきます。

 

松江市役所鹿島支所 2015.08.27
松江市役所鹿島支所 2015.08.27

 

佐陀本郷恵曇神社は、鹿島支所の裏手。

 

松江市役所鹿島支所 2015.08.27
恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

参道は、住宅地の間の路地。

 

恵曇神社・座王さん 2015.08.27
恵曇神社・座王さん 2015.08.27
恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

拝殿は119段の石段を登った先。

 

恵曇神社・座王さん 2015.08.27
恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

畑垣の恵曇神社(はたがき えともじんじゃ

 

 畑垣の恵曇神社(はたがき えともじんじゃ)社の右上方に「座王さん」と呼ばれる巨岩がそびえ立っています。古代にはこうした巨岩や巨木に下ったり、神そのものとみなされることがあったようです。このような巨岩や巨木を磐境(いわさか)、磐座(いわくら)などと呼ばれます。『出雲国風土記』「秋鹿郡恵曇郷」の状にみえる恵曇郷の国身をした磐坂日子命(いわさかひこのみこと)という神の名は、この岩そのものとする説があります。古代人の信仰が想像できる遺跡です。

 やはり巨岩を信仰していた類似の遺跡に宍道町女夫岩遺跡があります。

 

以上、案内看板転載。

 

座王さんは、拝殿左の石段を上った先。

 

恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

座王さん

 

この石段を登った所より十八米先の左側に三箇の巨石があって昔から「座王さん」と称しています。

これは恵曇神社の御祭神「磐坂日子命」が国土開拓のため、その昔御国巡りの際の御腰掛の岩と傳へられています。

皆さんが参拝しやすい様にこの石段を設置いたしました。

 

平成二年五月 恵曇神社

 

以上、駒札転載。

 

人里離れた深山の中にひっそりと佇むといったイメージでしたが、鹿島支所から徒歩5分ほどで到着。近い!!

 

恵曇神社・座王さん 2015.08.27

 

出雲の国の神さまは、常に人の近くで寄り添ってくださっています。

 

昨年、地元紙「山陰中央新報」で毎週木曜に連載されていた、出雲地方の巨石信仰の取材記より。

 

「山陰中央新報」2014年(平成26年)7月3日(木曜日)地域22面【出雲】より

 

石神さんをたずねて ―出雲の巨石信仰― 【7】

 

地域見守る「座王さん」

 

 松江市鹿島町佐陀本郷の恵曇神社の拝殿に向かい、右手の裏山を見上げると、しめ縄が掛かった岩が見えた。氏子が整備した石段を登る。高さ1~2メートルほどの三つの岩が「山」の字のように並び、後方にも岩が三つ。これらの岩を地元の人々は「座王さん」と呼ぶ。

 同神社は出雲風土記に「恵杼毛(えとも)社」と記される。

 祭神はスサノオノミコトの子と伝わるイワサカヒコノミコトで、岩に腰掛けて地域の開拓を考えたとの伝承が残る。海に面した鹿島恵曇にある恵曇神社とは、神社名も祭神も同じだ。

 春に豊作の祈年祭、秋に例大祭が営まれ、例大祭では2年に1度、境内の神楽殿で佐陀神能が奉納される。「住民の暮らしを守ってきた大切な岩」と幡垣裕行宮司(65)が力を込めた。

 神社の南西1キロにな銅鐸2個と銅剣6本が出土した志谷奥遺跡がある。県外では巨岩の近くで青銅器が見つかった例もある。弥生時代の青銅器と、神話の残る巨石の関係は不明だが、古代から続く生活と信仰の深い結びつきを感じさせる。

 

(毎週木曜日掲載)

 

アクセス

県道松江鹿島美保関線沿いの松江市役所鹿島支所のすぐ北側。民家の間を抜けて119段の石段を上ると、境内にたどり着く。

 

以上、全文転載。