大山寺へと続く参道の脇道にはいると、かつて同寺の支院であった建物が立ち並んでいます。それらはのちに宿坊とされました。

 

大山寺宿坊

大山寺宿坊 2014.05.16
所在地 西伯郡大山町大山
建設年 江戸時代
構造 木造
 
茅葺の宿坊
大山寺は、鎌倉時代前後に地蔵信仰の中心寺院として栄え、大智明大権現(地蔵菩薩)を中核に、南光院(釈迦如来)、中門院(大日如来)、西明院(阿弥陀如来)の3院がそれぞれ30余りの支院を持ち、江戸時代は、支院はそれぞれ14院(計42院)あったと伝えられる。現在、その支院であった理観、洞明、普明院などが宿坊になって存続している。

宿坊の平面形式は基本的には6室の方丈形式玄関と土間を備えた堂庫裡建築で、座敷数の多いのが特徴である。左右の部屋の並びは理観院、洞明院が3列、普明院が4列で前後に2~3の室を設けて9室前後の部屋数となる。3宿坊とも土間回りの改造が大きく左右に客室を増築しているが、主屋部分の改造は比較的少なく、近世宿坊の姿をよく伝えている。

茅葺屋根の宿坊の連なりは、大山寺を象徴する風景になっている。

 

以上、『とっとり建築探訪 県民の建物百選』より転載

 

解説では茅葺きになっていますが、維持や葺き替えに莫大な資金や労力を要します。近年では材料の茅や人手の不足、また費用に見合わないなどといった理由で茅葺きの家自体の維持が非常に困難になっています。このためこれらの宿坊も劣化による崩落を防ぐため、現在はトタンでカバーされています。

 

理観院

大山寺宿坊・理観院 2014.05.16 大山寺宿坊・理観院 2014.05.16

 

普明院

大山寺宿坊・普明院 2014.05.16 大山寺宿坊・普明院 2014.05.16

 

寿福院

田舎家 2014.05.16 田舎家 2014.05.16


寿福院だった建物は、現在カフェと和雑貨のお店「田舎家」さんにリノヴェーションされています。

 

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3時間以上歩いたのでクタクタ!?田舎屋さんでひと休み・・・!?

いや、ほぼゴールです。レポートは次回。

◆参考文献
『とっとり建築探訪 県民の建物百選』 社団法人鳥取県建築士会 発行