1977年(昭和五二)年に公開された映画「八つ墓村」。冒頭「神庭の滝」を越え、たどりついた尼子義孝ら八人の落武者たちが峠から見た景色。

 

明地展望駐車場 2014.05.08

村に住みついた尼子の落武者たちを多治見家の先祖が首謀者となり惨殺。その恩賞として毛利よりここから見渡すかぎりの山林の権利を受けとります。それが祟りの発端。
 
明地展望駐車場 2014.05.08

「備中神代駅」から乗り換えた自動車を峠の脇に停めさせた森美也子は、多治見辰弥に多治見家の場所や所有する山林などについて説明します。

峠から見下ろす八つ墓村は、国道180号を北へ走り県境をこえてすぐ、鳥取県の明地峠で撮影されました。

 

明地展望駐車場 2014.05.08

明地峠は標高約600m。秋から冬にかけて雲海が見られる名所として知られています。

展望駐車場の案内板に「八つ墓村ロケ地」の文字が見られます。

 

明地展望駐車場 2014.05.08


八つ墓村とされた場所は、日野郡日野町奥渡地区。
 

明地展望駐車場 2014.05.08

明地展望駐車場 2014.05.08

当時、映画のロケで一躍有名になった山あいののどかな村に多くの人たちが押し寄せたそうです。空き缶などのゴミはポイ捨て、田畑は踏み荒らされ、まさに「祟りじゃ~!!」という惨劇だったと伝わります。

安来市広瀬の月山富田城から落ち延びてきた八人の武者たちが見た光景。右前方にうっすらと見える大山の影。その矛盾に気づくのは地元の人たちだけでしょう。
 
明地展望駐車場 2011.10.04

晴れた日ははっきりとその姿を望むことができます。

明地展望駐車場 2011.10.04

そして落ち武者たちの背後は、山口県の秋吉台のカルスト台地。まさに映画のマジックです。

周辺は八つ墓村の陰惨な空気感は微塵も感じられない、日本の原風景が広がるのどかな里山。
 
門谷地区 2014.10.04
門谷地区 2014.10.04
門谷地区 2014.10.04
門谷地区 2014.10.04
門谷地区 2014.10.04

のどかにに見える里山ですが、実際に様々な尼子の落武者まつわる伝説が残っている土地でもあります。
 
明地展望駐車場 2011.10.04
明地展望駐車場 2011.10.04

終わることがないかと思われた八つ墓村の惨劇の連鎖は、金田一耕介の推理により結末を迎えます。真犯人、そして事件の奥深くに秘められた400年に渡る不思議な因縁が明らかになります。

映画「八つ墓村」のクライマックスは、尼子の落武者たちの怨念が放ったかのような紅蓮の炎に包まれた多治見家の屋敷。炎上シーンは、地元の人の畑を借りてオープンセットが建てられ、大掛かりな火事の場面の撮影が行われました。

 

明地展望駐車場 2011.10.04

写真中央に見える森の左手あたりにセットが組まれたということです。

◆施設概要

名称 明地展望駐車場

所在地 鳥取県日野郡日野町門谷

アクセス 明地トンネル鳥取側出口よりすぐ