境港駅から西へ約2Km、境水道沿いのまち外江(とのえ)は、細い路地が入り組み昔ながらの風景が残っています。
路地奥に見える木の鳥居。
路地奥へと進むと木造の小さな御社と古い狛犬が鎮座。
神社のすぐ裏には、むかしもいまも多くの船が行き交う境水道が流れています。
対岸の島根半島、美保関町森山にはむかし渡船場があり、この外江とを船でむすんでいました。
お社の背に立つ石の道標には、「左り さ加へ道」と刻まれています。
これは江戸末期、地元の商人「福田屋新兵衛」によって、島根側から境経由で大山寺へ向かう旅人が迷わないようにと建立されたものです。この道標の半分は新兵衛さんのやさしさでできています。
境港市指定文化財 恵比寿神社の道標石【有形民俗文化財】
平成十四年七月一日指定
この道標石は、境港市内で唯一つ確認されている石の「道しるべ」である。正面に「左り、さかへ道」「福岡屋新兵衛」と文字を刻んでいる。この石は、廻国行者へ大山寺への道を案内したものである。
江戸時代には、日本中の廻国行者(六十六部)が納経のために、石見・出雲から伯耆の大山寺へと向かうときは、対岸の島根半島の美保関町森山から船で境水道を渡り、ここ外江町にたどり着いた。そして境港へ向かい、米子から大山寺へと上って行った。
道標の建立者の福岡屋新兵衛は、地元外江町の住人で、幕末期の建立と伝えられる。「右か左か」と大山寺への方角に迷う人たちに、あたたかい思いやりを与えた心情がしのばれる。近世交通事情を知る文化遺産である。
境港市教育委員会
以上、説明書看板転載
神社を背にし境水道に向かって立っている理由は、渡船で上陸した旅人達のためだからなのですね。
入ってきた路地を戻り、道標に遵って左。
2Kmほど進むとJR境港駅です。
道標に遵わず右。
300mほどで中海の入口にたどりつきます。ご覧のように、境港を走らせる力はまるーぷバスの停留所がすぐにあります。
境港文化財巡礼03
恵比寿神社の道標石
JR境線・「境港駅」下車徒歩20分
はまるーぷバス・生活コース「外江町7区」下車2分(生活コース左回り・境港駅から約8分)