新宿西口・オバQ百貨店ではなく、小田急百貨店

 
山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2008.03.16

多少の洒落っ気だけではなく、開業間もないころには、新宿西口でオバQがプラカードを持って販促活動をしていたこともあります。

 

1961(昭和三六)年会社設立、翌年秋の開店に備え、新卒・中途採用あわせて1,331人の社員が雇用されました。ほとんどが未経験者だったため、東横渋谷店(現・東急東横店)や白木屋(東急日本橋店を経て1999年1月閉店)、大丸東京店などで現場実習が施されました。オープンののちにも、「大丸派」「東急派」それぞれの実習経験を統一し、小田急方式確立のための努力が続けられたということです。

 

1962(昭和三七)年11月3日、東京建物新宿ビル(現:新宿西口ハルク)に開店。開店当日、あいにくの雨にもかかわらず、開店前には4,000人もの行列ができ、開店1時間で入場制限が必要となるほどの盛況ぶりで、初日の来店者数は20万人を記録しました。

 

山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-ビックカメラ新宿東口店 2008.11.15

1966(昭和四一)年8月25日、新宿地下鉄ビル(現:新宿店本館北側部分)竣工。9月9日、新館・ヤング小田急開店。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2008.03.16
 

1967年(昭和四二)年11月21日、新宿西口駅ビル(現:小田急新宿駅ビル=現:新宿店本館南側)竣工。南北のビルを合わせて小田急百貨店・本館とし、11月23日全館営業を開始。この時にも入場制限が必要となるほどの人が詰めかけ、事故防止のためエレベーターやエスカレーターをストップさせるほどだったといいます。

 

一棟のビルに見える小田急・本館は、工期や施主が異なる二棟のビルをつなぎぎ合わせたものです。小田急側の設計者である坂倉準三によってファサードのデザインが統一されました。

 

写真の建物中央、窓が青い部分から左(8階建)は、旧営団地下鉄(現:東京メトロ)・丸ノ内線新宿駅の駅ビルとして建てられたもので、竣工時より小田急が賃借しています。右(14階建)は、小田急が駅ビルとして建設したものです。

 

11月27日には、旧本館を別館・小田急ハルクとして、リビング用品専門館に改装オープンしました。小田急といえば家具・インテリアのイメージが強かったのは、このためですね。

 

2000(平成一二)年12月、小田急電鉄が、小田急ハルクが入居する東京建物新宿ビルを取得。

 

2002(平成一四)年、不採算の家具売り場を大幅縮小して本館へ移動させ、小田急ハルクの2階一部から6階にビックカメラ賃貸し、5月11日に同店新宿西口店がオープンしました。また同日、名称を「ハルク」に変更しました。

 

新宿西口小田急のほか、JR・東京メトロ・都営地下鉄・京王が乗り入れており大カオス状態!!西口はほとんど使うことがなく、不案内なため目的地に一発でたどり着けたことがありません(汗)

 

小田急の1Fは、高級ブランドが入るインターナショナルブティックが入っています。しかし、売場として利用されているのは北館部分で、南館部分は通路が大半を占める要するにただの駅ビルです。またデパチカに当たる地下1階は、小田急電鉄新宿駅コンコースJR京王など他社線との乗換客で、常にごった返しています。

 

少し前の画像ですが、クリスマスシーズンには、ファサードはクリスマスのVPで彩られていました。

 

2006年12月には、2本の巨大クリスマスツリーが表現されていました。

 

山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2006.12.10 山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2006.12.10 山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2006.12.10 山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2006.12.10


暖色系の色で師走の寒空でも暖かく感じました。

 

しかし、どうしてこうなった!?という年もあるのです。

 

山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2008.11.15 山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2008.11.15


2008年11月に撮影したものですが、青や紫の寒色系で統一。なぜ?なにゆえ??寒々しくて、時に不気味ささえ漂わせる演出。・・・意図がわかりません(笑)

 

2010年の同時期には、特にクリスマスらしい演出はされていませんでした。ただし、ライトアップはされていました。

 

山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2009.12.04 山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-小田急百貨店新宿店 2009.12.04

東日本大震災以降、節電のためライトアップが中止されているところが多いようですので、どのような状況なのか気になるところです。ここ数年、確認していませんのでどのようになっているかは不明です。お近くの方のレポートを待ちたいところです(←どこまでも他力本願)。

そもそも建物の外観演出をしても売り上げに結び付くわけではありませんから、同業他社も建物のライトアップや凝った装飾などは控える傾向になって行った時期であったように記憶しています。

 

そもそも電鉄系百貨店の来店客の大多数が鉄道利用者ですから、外観を見る人などほとんどいないでしょう。でもよくよく考えてみると、トランスポーテーションが発達している都市部に於いては。呉服系、電鉄系問わず顧客が外観を見る機会というのは多くはないでしょう。しかし金のかかった個性的な外観をした百貨店は、街のランドマークとして人々の記憶に刻まれ、ある年代以上の人であれば、名前を聞けばその外観を連想するものではないでしょうか?

 

◇データー

小田急百貨店 新宿店
新宿区西新宿1丁目1番3号
TEL03-3342-1111
営業時間=10~20時30分(※本館12F・11~22時/13-14F・11~22時30分)
売場(本館)=B2~14F・RF
売場面積=43,636平方メートル
別館 新宿西口ハルク
新宿区西新宿1丁目5番1号
売場(別館)=B3~8F
売場面積=7,318平方メートル

年商=874.59億円(2011年度)※ハルク売上合算
14/221


参考文献
小田急百貨店ホームページ
『日経MJトレンド情報源2013』 日経MJ(流通新聞)編 日本経済新聞出版社 発行

『昭和ノスタルジック百貨店』 オフィス三銃士編 ミリオン出版 発行