淀江どんぐり村から大山観光道路を上ル、右手に森の国キャンプ場が見えたら、次の交差点を右入ル。丸山橋を越えた先、地蔵滝の泉を記す看板が見えます。対向車に注意しながら大きく右へUターンするように曲がり橋の下へ、右手に折れ橋を潜った先、右に見えるのが地蔵滝の泉です。
水温は年間を通じて11℃。
「地蔵滝の泉」
この湧水は、地蔵滝と呼ばれ、平成三年「因伯の名水」にも選ばれました。かつては昼でもうす暗い森林に覆われ、五メートルほどの滝でしたが、昭和三十四年の伊勢湾台風に伴う豪雨等で崩壊し、現在の状態となっています。
中国地方最高峰の大山は、古くから信仰の山として崇められ、五月二十四日の大山祭り(大山さん)には、近郷近在からの参詣者や、博労座の地名が残る大山寺では日本三大牛馬市の一つとして市が開かれるなど、大変な賑わいであったと伝えられています。
地蔵滝は、出雲・米子方面からの道筋の要衝の一つに当たり、参詣者が休息し気力回復して大山寺を目指す憩いの場として親しまれてきました。また、祀られている地蔵菩薩は大山寺の地蔵信仰とも重なり、丸山集落の水源を守る象徴だけでなく、旅の安全の守り仏でもありました。
地蔵滝から湧き出る泉は、年間を通じて十一度に保たれ、日量十九・四万トンにもなります。八郷水道(三七〇世帯)に供給されるほか、約二百ヘクタールの灌漑用水としても利用され、ここで生産された八郷米は良食味米として極めて高い評価を得ています。
泉の周辺は別名「せり川」と呼ばれてせりが生い茂り、またこの地一帯は赤松の美林に囲まれ、「森と清流の里」として都市と農山村との交流にも「ふれあいの水辺」としての役割を果たしています。
このたび「平成の名水百選」の認定を機に、人々の交流に加えて、水と森林の保全についての学びの場となることを願っています。
平成二十年六月 鳥取県伯耆町
以上、由来書き看板より転載
案内看板の左に在りし日の地蔵滝の写真が掲示されています。さらに2011年9月に来襲した台風12号の豪雨によって、それまで保たれてきた環境が、ほぼ跡形もないと思われるぐらい姿を変えてしまったようです。