幽鬼洞」おっそろしげな響きの洞窟でございますが、正式名称は国指定特別天然記念物「大根島溶岩隧道」です。およそ19万年前の火山活動によりできたとされています。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04

 

境港の西、中海に浮かぶ大根島、その大きさは東西3.3km、南北2.2km、周囲およそ12kmの火山島です。その地下にはいくつもの溶岩洞窟が縦横無尽に走っていて、現在までに発見されているのは、この「幽鬼洞」と「竜渓洞」の二ヶ所ですが、他に未発見のものがいくつもあるともいわれています。

 

それはどのような人跡未踏の地にあるのかと思いきや、住宅の密集する集落の中にあり、すぐ横に駐車場まで整備されてます。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04

 

写真中央に見えている木の根元に、それはぽっかりと口を開けています。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04

 

近づいてみると、高いフェンスで囲まれており、ゲートには厳重に鍵が掛けられていました。そして立入禁止の警告看板がありました。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04

 

洞内の一部に崩落の危険性があり、滞水が高く大変危険な状態のようです。実際、過去に死亡事故が発生しています。このような事情と、洞内の希少植物や生物保護の観点から、現在は一般の立入は禁止され、学術調査等で松江市教育委員会文化財課が許可したもの以外の入洞は認められていません。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04

 

不気味に口を開いた幽鬼洞、巨大生物の口のようにも見えますね。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04


夜になるとあの世とつながり、幽鬼どもが跳梁跋扈するような雰囲気を感じなくもありません。

 

洞窟横に案内看板が設置されていました。


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・幽鬼洞 2013.04.04

 

国指定特別天然記念物「大根島の熔岩隧道」(幽鬼洞)

 

   昭和六年七月三十一日 天然記念物指定

   昭和二十七年三月二十九日 特別天然記念物指定

 

(島の成りたち)

大根島と江島は今から約十九万年前に噴火した玄武岩からなっており、何枚もの熔岩が重なりあい、その基底部は地下約六〇メートルの深さにあります。科zん噴火が起こった頃は氷期にあたり、海面は少なくとも現在より六〇メートル以下も低下しており、熔岩は陸上に流れたものです。その後、海面の上昇と降下が繰り返され、最終的には一万年前以降、海面の著しい上昇にともない、現在のような島になりました。島内には大塚山をはじめとして、こんもりとした小山からなる幾つかの噴火口があります。また、地下には大小の天然の熔岩トンネルが縦横無尽に走っています。大根島の玄武熔岩は粘性が非常に小さいため川のように流れ下っていきます。その際に、表面や側面は冷えて固まりますが、内部は未固結のままで、それが流れ去ったあとがこのような形で残っています。

(内部の様子)

旧洞と新洞からできていて、旧洞内には、その形状によって「背擦り」「迷い路」「千畳敷」「鬼の井戸」「鬼の寝床」といわれる場所があります。

また、新洞には、つねに豊富な滞水があり非常に危険ですが、旧洞は、水量が少なく危険という程ではありません。

 

平成十九年三月 松江市教育委員会

 

以上、案内看板より転載

 

どうしても入ってみたいと興味を持たれた方は、年に数回見学会が催されているようですので、松江市教育委員会文化財課(0852-55-5523)か松江観光協会八束支部(0852-55-5820)に問い合わせてみてください。

 

この「幽鬼洞」のある遅江集落には魅惑的な路地が走り、安全に散策が可能です。

 


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・路地 2013.04.04

 

ゆるい坂を下ったカーブの先・・・


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・路地 2013.04.04

 

同じような体の路地を抜けた先には・・・!!


山陰百貨店―山陰ぐらし☆右往左往―-大根島・遅江船溜まり 2013.04.04

 

中海がありました。長閑な雰囲気の船溜まり、たまたまいらっしゃった近所の方とお話をしましたが、大根島松江米子のどちらに行くにしても30分ぐらいで行け、空港(米子空港)も近いので、車を運転できるのであれば便利な場所だということでした。ただ歩いて行ける距離に行ける病院がないため、お年寄りには不便な面はありますが、環境がよくほどよく便利なので、転勤族でここが気に入りリタイア後には終の棲家に選ぶ人が少なからずいらっしゃるということでした。