浅瀬に乗り上げ座礁した船をそのまま放置!?ではなく、防波堤として再利用されたものですが、この虚無的な光景が廃墟マニアでは有名な物件!?
「大根島の廃船」です。
以前は複数形の「大根島の廃船群」でした。
ワタクシの愛読書「ワンダーJAPAN」日本の不思議な≪異空間≫500」に掲載されていた珍景でした。
廃船を沈め、防波堤の代わりにしたもののようで、以前は三隻の廃船で、まさに船の墓場、「山陰のサルガッソー」といった様相でした。
こちらに住みはじめてすぐの二年ほど前、ホンモノの防波堤造営のため埋め立て工事が開始され、これらが消えるのでは!?と噂されていたので、慌てて撮りにいったときのものがこの上の一枚と下の二枚です。
昼間にもかかわらず不気味さを漂わせており、脇を走る自動車も、この異様な物体を目の当たりにして、スピードを緩めて通るほどインパクトが強い光景でした。
その後、すぐ横をしばしば通ることがあったのに、よ―――く確認もせずに時は流れ二年後、同日2012年9月28日(別に意識したわけでも、図ったわけでもなく偶然同日に撮っており、あとで指摘され驚きました)に撮った写真がこれ!!
よ―――く写真を見比べて見ると、右奥の廃船が残されたようです。しかしながら、操舵室が崩壊してしまったようで、船体自体もかなり崩れています。
この角度から見る廃船がなぜかコワい!! 音もなく忍び寄る巨大水棲生物のように見えます。
それこそ、大きな口をパックリ開けて、人間など事もなげに呑み込んでしまいそうなぐらい・・・
かなりの速度で崩壊が進んでいるようで、この時は防波堤に何枚かの廃船の甲板と思しき残骸が打ち上げられていました。
工事の際の振動や、他の廃船撤去のさいのストレスが響いたのか、他の廃船が撤去、また埋め立てが進んだことによる水の流れの変化で崩壊のスピードが加速度的に進んでいるように見えました。
爽やかな青空の下でも不気味さ大爆発!!だったのに、鉛色の空の下、しかも暮れ時に近い時刻のその姿はなんともいえない虚無感が漂っています。
昨秋に撮った時よりも、さらに崩壊が進んでいるようで、かなり小さくなっているように見えます。
このままでは、そう遠くない時期に自壊してしまい、その姿を消すことになるかもしれませんね。
見に行くなら今だ!!
◆参考文献
「ワンダーJAPAN 日本の不思議な≪異空間≫500」 / 三才ブックス 発行
写真1,9,10-2013年2月撮影
写真2,3,4-2010年9月撮影
写真5,6,7,8-2012年9月撮影