「まさか!」と思わず声が出るような、にわかに信じがたい話ってありますよね。
これから世界の珍しい切手とともに、そんな驚きの事実をシリーズで紹介していきます。
今回は、日本の郵便配達員にまつわる衝撃の事実から。
【日本の郵便配達員が、警察官より先に拳銃を持っていたってホント?】
皆さんは「拳銃」と聞いて、どんな職業を思い浮かべますか?警察官や軍人でしょうか?
でも、実は日本で軍人以外で初めて拳銃の所持を公的に認められたのは、なんと郵便配達員だったんです!
信じられないかもしれませんが、これは事実です。
しかも、その期間は警察官が正式に拳銃を携帯し始めるより50年も前のことでした。
では一体なぜ、そんなことが起きたのでしょうか?
【命がけの郵便配達ミッション!】
時は明治時代日本が近代化へと向かう中、郵便制度が全国に広がり始めましたが、この重要な郵便物を狙った強盗事件が多発したのです。
当時の郵便配達は、山道を徒歩で、あるいは馬に乗って行われていて現金や重要な書類を運ぶことも多く、まさに命がけの仕事だったのです。
そこで明治政府は、強盗から郵便物を守るため、郵便配達員に**「郵便物保護用短銃」**の携帯を許可したのです。
拳銃は郵便局の「公用物」だった
「誰でも自由に銃を持てたの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。管理は非常に厳格でした。
◉郵便局長から「貸与」される。
◉配達が終われば必ず返却。
◉弾の数も厳しくチェック。
◉拳銃の紛失や誤射がないように、徹底した管理体制が敷かれていました。
【私たちを支える、郵便配達員の知られざる歴史】
この制度は、戦後しばらくまで続き郵便が安全に届けられるようになったのは、郵便配達員たちが命がけで任務にあたっていたからなのです。
何気なく手にする一通の手紙や郵便物その裏には、こんなにドラマチックな歴史が隠されていたのですね。
【歴史を語る「切手」】
1949年発行の「産業切手」には、当時の郵便配達員が描かれています。
実はこの切手が発行されたのは、拳銃所持が廃止される直前のこと。もしかすると、この切手に描かれた配達員も、まだ拳銃を持っていたのかもしれません。
また、1971年の「郵便創業100年記念切手」には、雪の中を歩く配達員の姿が。これぞ日本の郵便を支えてきた、誇り高き姿ではないでしょうか。
【まとめ】
日本の郵便配達員は、かつて拳銃の携帯を認められていた。
その理由は、郵便物を強盗から守るため。
警察官よりも50年も早く拳銃を持っていた。
制度は1949年まで続いた。
身近な郵便に、こんな驚きの歴史があったとは手紙や荷物が安全に届くのは、彼らの命がけの努力があったからなんですね。
次に郵便物を受け取るとき、少しだけ歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

