エボラ出血熱は、エボラウイルスによる感染症で、フィロウイルス科に属するウイルス性出血熱の一種です。
潜伏期間は約2~21日(通常7~10日)で、突然の発熱や頭痛、倦怠感、筋肉痛などの症状が現れ、その後嘔吐、下痢、出血などがみられることがあります。
エボラ出血熱(Ebola hemorrhagic fever)またはエボラウイルス病(Ebola virus disease:EVD)は、エボラウイルスを原因とする重篤な感染症で主に中央アフリカや西アフリカで発生します。
治療開始が遅れると致死率は80 ~90%と極めて高いです。
感染経路としては、
1.感染した人や動物の血液、体液(唾液、排泄物、嘔吐物、母乳、精液など)との直接接触
2.感染者の体液で汚染された物品との接触
症状としては、
潜伏期間は2日から21日(通常は8日から10日)で、初期症状はインフルエンザに似ています。
突然の高熱・強い倦怠感・筋肉痛・関節痛・頭痛・のどの痛みに加えてその後、嘔吐・下痢・発疹・腹痛・目の充血・腎臓や肝臓の機能低下・内外出血ような症状が現れることがあります。
重症化すると多臓器不全や出血多量により死に至ります。
エボラ出血熱に対する特異的な治療法は確立されていませんでしたが、現在ではFDA(米国食品医薬品局)が承認した2つのモノクローナル抗体療法(InmazebとEbanga)が存在しますが、治療は症状を緩和する対症療法が中心となります。
早期の治療と適切な支持療法が生存率の向上につながります。
予防方としては、流行地域への渡航を避け、流行地域では感染者や動物との接触を避ける。
手洗いを徹底するし、防護具(手袋、マスク、ゴーグルなど)を着用する。
ワクチン接種があります。
エボラ出血熱に対するワクチンは、ザイールエボラウイルスに対してrVSV-ZEBOVとAd26.ZEBOV/MVA-BN-Filoの2種類が開発されていますが、現在、ザイールエボラウイルス以外のエボラウイルスやマールブルグウイルスに対する有効なワクチンは存在しません。
また、スーダン型エボラウイルスに対するワクチンは、現時点では開発途中です
ザイールエボラウイルス種に対しては、FDA承認済みのワクチン(ERVEBO)があります。
【重要な注意点】
感染者が必ずしも出血症状を呈するわけではないため、国際的には呼称がエボラ出血熱からエボラウイルス病へ切り替わりつつあります。
2014年ブルンジ発行の「世界保健機関 - エボラウイルス (2014)小型シート」で、エボラ出血熱が描かれています。
切手は2023年ニジェール発行の「エボラ小型シート」で、患者の搬送・検査用血液と発生場所の地図・医療従事者とワクチン・ワクチン接種が描かれています。
切手は2001年ウガンダ発行の「国際ボランティア年記念切手」で、2000~01年にかけてウガンダで流行したエボラ出血熱の患者を搬送するボランティアが描かれています。

