結核は古くからある感染症で、昔から人類を苦しめてきました。
古代エジプト時代から存在し、日本でも弥生時代後期に結核の痕跡が発見されています。
結核は、結核菌(Mycobacterium tuberculosis:マイコバクテリウム・ツベルクローシス)によって引き起こされる感染症で、主に肺に炎症を起こします。
排菌している結核患者が咳やくしゃみをすると、結核菌を含んだ飛沫が周囲に飛び散り、その飛沫核を吸い込むことで感染します。
日本では、明治時代以降の産業革命による人口集中に伴い、結核は「国民病」「亡国病」と恐れられ、死亡原因の第1位で、多くの著名人もこ病気でなくなっています。
しかし、医学の進歩や対策に取り組むことで、死亡率は激減し、2021年には人口10万人あたり9.2と低まん延国入りを果たしました。
がしかし、最近結核が再流行していています。
2023年の結核患者数は、新たに登録された新登録結核患者数が10,096人(内死亡者数1587人)で、前年より139人(1.4%)減少していますが、2024年9月22日時点では、11015人と増加しています。
2023年に結核で亡くなった人は1,587人で、感染症による死因の3番目に位置しています。
結核は、結核菌を吸い込むことで感染し感染しても多くは免疫の働きで発病を防ぎますが、感染して1~2年で発病する場合や、何年もたって体が弱ってきたときに発病する場合があります。
結核は、エイズ、マラリアとともに三大感染症の一つとして、世界で制圧のための取り組みが進められています
日本国内での再流行は、高齢者施設で結核の集団感染が多く見られています。
特に高齢者は体内に結核菌が残っている割合が高いことがあり、結核菌は一度感染すると、基本的には一生その人の体内にい続けると考えられています。
結核菌をそのまま抑え込んで発病しないケースも多く、年齢を重ねたり、何か病気をして免疫力が下がったりすると、結核菌が再び増殖を始め発病するケースがあるといいます」
更にアジア圏など外国から持ち込むケースも存在しています。
比較的結核がまだ多い外国から若い世代が来て、職場や学校などで感染が広がり、そこから高齢者などにうつして集団感染になるケースが報告されています。
海外ではこれまでの薬がなかなか効きづらい耐性菌の割合も高いそうなので、そうなると治療が難しくなるというやっかいな問題になります
痰の絡む咳・微熱・体のだるさが2週間以上続いて、体重の減少・食欲がない・最近寝汗をよくかくといった症状が出た場合は結核を疑い受診することが大切です。
結核は過去の病気ではなく、再び人類を苦しめようとしていることを理解して、感染予防に取り組んでいく必要があります。
切手は1982年キューバ発行の「結核菌発見100年記念切手」で、発見者のロベルト・コッホと結核菌(赤い棒状)が描かれています。
切手は2021年北マケドニア発行の「赤十字/結核撲滅切手」で、結核に感染した肺と健康な肺を受け止める手を描き結核感染予防を訴えています。
切手は2010年ボスニア・ヘルツェゴビナ発行の「2010年結核対策週間切手切手」で、結核感染防止(STOP TB)が描かれています。
※TBとはTuberculosis:チュバキュロースィス(結核菌)の略で、テー・ベーと読んでいましたが、現在ではティー・ビーと発音します※
切手は2004年クロアチア発行の「結核予防週間切手切手」で、手洗いによる結核感染防止が描かれています。


