知識の扉-26.生の大根と人参は合食禁ー | 血液の鉄人の医学と切手のサイト

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合食禁(がっしょくきん)とは、「一緒に食べると消化に悪い」といった食材の食べ合わせについての通説です。

合食禁には科学的根拠の無いものもありますが、中には医学的に正しいとされるものも存在しています。


合食禁中に"生の大根と人参は食べ合わせが悪いのでやめたほうが良い"とよく言われますが、これは正しいのかを検証してみましょう。

生の大根と人参の食べ合わせが悪いとされるの理由は、生のニンジンに含まれるアスコルビナーゼという酵素(アスコルビン酸酸化酵素)が大根に含まれるビタミンCを壊してしまうため、食べ合わせが悪いというよりは「もったいない組み合わせ」と言えます。

※実際はビタミンCを壊してしまうのではなくではなく、酸化させてしまうのです※。

※ビタミンCを含む食品とアスコルビナーゼを含む食品を一緒に食べるとビタミンCは酸化して、デヒドロアスコルビン酸という物質に変化してしまうのです※

※アスコルビナーゼは熱や酸に弱いことから、加熱したり酢を使えばアスコルビナーゼの働きが抑制され、ビタミンCを酸化させることなく摂取することが出来ます※

要するにニンジンは大根だけではなく、ビタミンCの多い食品全般と組み合わせることが好ましくないということに尽きます。

これは「ビタミンCを含む他の食材と一緒に食べない方が良い」との通説があるためだと考えられます。

ビタミンCには還元型と酸化型があり、アスコルビン酸酸化酵素は還元型のビタミンCを酸化型ビタミンCに変化させるので相性が良くない、といったものがありましたが、近年の研究により、酸化したビタミンCは体内で再び還元されることが分かったことからビタミンCの体内還元から見ると、関係性はないといえるでしょう。

おせち料理の中に定番としてある大根とニンジンを使った"紅白なます"には、調味料として酢を使いますので、酢はアスコルビン酸酸化酵素の働きを弱らせるので、合理的な料理と言うことになります。

※※ビタミンCを含む食品とアスコルビナーゼを含む食品を共に食べたとしても、体内で吸収される際には、たんぱく質と結合し再び還元して最終的にビタミンCとして吸収されることから問題はありません※※

 



切手は2022年ベルギー発行の「ベルギーの野菜切手」の中の一枚で、ニンジンが描かれています。

 

 




 

切手は2015年日本発行の「野菜とくだもの切手 第5集」の中の一枚で、ニンジンが描かれています。

 

 



切手は1986年リビア発行の「リビアの野菜切手」の中の一枚で、ニンジンが描かれています。

 

 



切手は2015年日本発行の「野菜とくだもの切手 第5集」の中の一枚で、ダイコンが描かれています。

 

 

 



切手は2008年日本発行の「年賀はがき」で、料金部分にはダイコンに名るネズミが描かれ、下の年賀の文字は二本のダイコンで囲まれています。