E型肝炎ウイルス(HEV)によって引き起こされる一過性の急性肝炎です。
南アジア、東南アジア、中央アジア、北アフリカ、メキシコ、中国新疆ウイグル地区などでの報告例が多く、最近では日本国内での発生も報告されています。
感染経路は、ウイルスを含む糞便に汚染された飲食品からの経口感染・水系感染が主体となります。
わが国でも、年間数十例の発生が報告されていますが、これはブタやシカ、イノシシなどの動物はE型肝炎ウイルスを保有しており、これら動物の生刺しやレバ刺しなどを食べることによって感染する経路が最近になり指摘されています。
潜伏期は、2週から9週間(平均6週間)です。
症状としては、A型肝炎とよく似た症状で、黄疸、発熱、食欲低下、腹痛がみられます。
慢性化することはほとんどありませんが、重症度や致死率はA型肝炎より高く、劇症化することもあり、特に妊娠後期の方がE型肝炎ウイルスに感染すると劇症化しやすく、致死率が20%にもなるといわれています。
治療法は、A型肝炎と同様、原則として急性期には入院、安静加療を要します。
劇症肝炎を引き起こすと血漿交換などの治療が必要となります。
E型肝炎に対するワクチンは、2021年11月時点では開発されていません。
予防法としては、衛生環境の劣悪な地域では、生水や生もの、氷、加熱調理が不十分な食品を避けることです。
日本国内での最近の感染事例としては、今流行のジビエでシカやイノシシなどの野生鳥獣の肉の生肉や生のレバーを食べることで感染しています。
ジビエは必ず、肉の中心まで加熱調理し、決して生では食さないことです、当然レバーの生食は厳禁です。
※ジビエ(gibier:フランス語)とは狩猟で得た天然の野生鳥獣の食肉を意味する言葉で、ヨーロッパでの貴族の伝統料理として古くから発展してきた食文化です※
我々が日常スーパーで気軽に買うことができる豚肉や牛肉などの畜肉は、「と畜場法」や「食品衛生法」などの多数の法律により衛生的に管理されたお肉です。
飼育から屠殺、流通まで厳しい法律の目があるおかげで、私たちは安心で安全にスーパーで買ったお肉を食べることが可能となっています。
一方ジビエは、ジビエは野生動物を狩猟することで得られるものなので、家畜のような「飼料管理」「健康管理」「衛生管理」がなされておらず、ジビエが消費されるまでの段階で家畜と最も異なるのは、この三つの管理ができていない点から危険なものと認識して対応する必要があります。
最近では各地でジビエフェアなどが開催されて、管理された肉類が提供されていますが、ここでも加熱不十分な肉やレバーなどを生で食してはいけません、E型肝炎に感染するリスクがありますから。
切手は2014年ベルギー発行の「野生動物切手」の中の一枚で、野生のイノシシの親子が描かれています。
切手は1981年ベトナム発行の「野生動物切手」の中の一枚で、野生のイノシシが描かれています。
切手は1956年韓国発行の「普通切手」で、ニホンシカが描かれています。
切手は2015年日本発行の「普通切手」で、ニホンシカが描かれています。
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