ウイルス性人獣共通感染症-3.豚インフルエンザ- | 血液の鉄人の医学と切手のサイト

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豚インフルエンザは、比較的新しい株のA型インフルエンザウイルスによって引き起こされる、インフルエンザ感染症です。

このインフルエンザウイルスは、H1N1と呼ばれています。

豚インフルエンザウイルスが初めて分離されたのは1930年です。

ブタから直接感染が起きた訳ではなく、最初に発表された報告がブタのウイルスの成分に注目したものであったために、一般には「豚インフルエンザ」と呼ばれるようになりました。

このインフルエンザウイルス感染症は、通常のインフルエンザと同じように、感染した人からほかの人へと広がりました。

2021年時点ではこのウイルスがヒトの間でどの程度容易に広がるのかは不明です。


H1N1インフルエンザの症状は一般的には通常のインフルエンザに似ていて、発熱、せき、のどの痛み、全身の痛み、頭痛、悪寒、鼻水、疲労感などを生じ、吐き気、嘔吐、下痢もよくみられます。

ウイルス感染後1~4日で症状が現れ、その後長くて1週間、症状が続きます。

検査としては、鼻またはのどから採取したサンプルを使用します。

現在使用されているインフルエンザワクチンは、H1N1インフルエンザウイルスに対して効果があります。

合併症のリスクがある場合や、症状が重い場合は、抗ウイルス薬 のオセルタミビル、ザナミビルまたはバロキサビルを使用することがあります。

2021年時点日本では豚インフルエンザウイルスのヒト感染事例は報告されていません。

切手は2020年ジブチ共和国から9種類のウイルス性人獣共通感染症を描いた「ウイルス性人獣感染症小型シート」の中の一枚で、豚からの豚インフルエンザウイルスの人への感染が描かれています。