探偵なふたりの試写を観た方がこぞって後記を描いてくださってるね~~
どれも評判は上々~~
大倉眞一郎のこの1本
探偵なふたり
シネマサークルが始まって韓国映画を紹介するのは、番組・コラムと合わせてこれが3本目。
この作品は大変良くできていて、是非観ていただきたいんだけど、映画賞を取るとか言うタイプのものではありません。
ハラハラ楽しめるやつ。
と、そこで考え込んじゃったわけね。
韓国映画はかなりの本数を観る私だけど、いわゆる「韓流ドラマ」好きで、ヨン様に熱狂したわけじゃないし、「冬のソナタ」も観ていない。ドラマは観始めると時間がかかって、ただでさえ時間がなくて困っているから、避けているという理由もあるんだけど。
考え込んだのは韓国映画のこの16、7年の進歩と現在の水準。
わたしが「あれ、ちょっと韓国映画が変わって、見応えがあるかな」と思ったのは1999年に公開された、「シュリ」が最初です。
正直申し上げると「シュリ」もまだうまく回っていない印象があって、日本で大ヒットしたとき、そこまで誉めることもないんじゃないか、と偉そうに思ったりして。
ところが、「シュリ」に前後して作られた作品が凄まじい勢いでレベルを上げていき、日本映画では得られない満足感を与えてくれるようになりました。
えー、ここで申し上げたいのは日本映画がダメだということではなく、韓国映画が何故か私に刺さるようになってきて、私のまわりにいる映画についてはうるさいほど物申す友人たちが、同様のことを
言っているということであります。
あえて言えば日本映画で金をかけて作ったものには、その価値あった?と首を傾げたくなるものが多いということかしら。
タイトルは絶対に書かないけど、観終わって、そんでどうしたかった?と疑問を通り越して腹が立ってくるものもございます。
安く作ればいいってもんじゃないし、こんな制作費でよくぞまあ、と驚くものもありますから、何が幸いするかわからないんだけど、制作費を押さえたものは単館上映のものが多くて、ここまで頑張って絶賛に値する作品でも制作費の回収がギリギリという状況をやはり憂いてしまいますなあ。
さて、制作費のことで言えば、韓国だって負けていない。
そんなに金はかけられない。
だから、監督、脚本、役者が揃っていないといいものはできません。
だから、ヤン・イクチュンのように私財を投げ打って、「息もできない」という私の中でいまだに韓国映画NO.1という作品を制作・監督・脚本・主演まで一人で全部こなして作り上げるようなとんでもない人間が出て来たりします。
「これが作りたい。どうしても作りたい。何がなんでも作る」という映画人の鬱陶しいくらいの息づかいを感じるんです。
それにしても、若い監督が次々に登場して、ベテランも負けていないこの熱気はなんなんだろうか、と常々疑問に思っていたことを友人で在日のカメラマンに聞いてみた。
私は政府が金を出して文化を育てる、という仕組みには生理的な嫌悪感を覚えてしまうひねくれた人間で、政府が右でも左でも関係なく、文化は権力と近いところにあって欲しくない。
だから、クールジャパンなんつーいまだに理解できないことをやっている方々には常日頃から物申したいんだけど、面倒だから黙っているの。世界が認める文化は世界が勝手に認めてくれるでしょ。
政府が「これがいいでしょ」なんて余計なこと言わんで欲しい。
と、申し上げつつも、そのカメラマンから帰って来た答えは意外なもので、韓国政府は映画製作への援助を惜しまず、映画に限らず、文化に金を出す、というものであったので、あららららーん、とヘナチョコになっちゃった。
韓国には国立の韓国芸術総合学校の映像院や、公的機関である韓国映画アカデミーがある。そこで、監督、脚本家、役者志望の若いのを徹底的に鍛え上げるらしい。
実際そこから、若い力を持った映画人たちが羽ばたいていく。
う~ん。そうなの。う~ん。って唸っちゃった。
それでいて、2014年にアジア最大の国際映画祭、釜山国際映画祭でセウォル号沈没事故についてのドキュメンタリー映画「ダイビング・ベル(原題)」を上映プログラムから取り下げるよう釜山市、政府から強い圧力がかかったときに、映画祭側は決然とそれを拒否した、ということもあって、韓国映画人の骨の太さにまた感嘆した次第。
「わかってくれよ」的日本的感性は時として、監督のスーパー自己満足で終わることが多いし、金をかければ的な作品はただお金をかけて筋を追いました、というものが多くなりますな。
少し頭冷やして考えていただければ。
「探偵なふたり」は連続殺人事件を扱ったものですが、そこに少しコメディ要素をぶち込んでみました。そんなことしたら、トホホになるじゃん、と思っちゃうんだけど、これがうまく出来ているから韓国映画は侮れんのよ。
話が思いっきりずれてごめんね。
20日公開です。
いろいろ申しましたが、たまに「寝ぼけたもん作ってんじゃねーぞ」と声を上げたくなる映画もあります。
ま、そりゃ、そーだ。

探偵なふたり
2016年2月20日(土)
シネマート新宿、109シネマズ川崎ほか全国順次ロードショー
CJ Entertainment Japan
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とっても良く出来てるけど、映画賞とるほどじゃない・・
これ。。メチャ良くわかる~~~~
とにかく。。 面白いんだよね
そして。。怖い。。