天皇と言うのはやはり血筋が何よりも大切なのは言うまでもなく、現代まで何度か天皇の血筋が入れ替わったのではないかと囁かれながらも今日まで由緒正しき血筋として存続し続けている。
しかし、今から1200年以上前、一僧侶が天皇になりかけた事件がある。
それが起きたのは奈良時代、時の女帝は孝謙太上天皇であった。
彼女は体調を崩した際に看病にあたった僧侶に恋するという何とも乙女な一面がありその僧侶というのが今回の話の主人公ともいえる道鏡である。
普通の恋ならば可愛いねで済むのかもしれないが、彼女は熱烈なまでに道鏡を愛しすぎたあまりどうにかして道鏡を天皇にできないかと血迷い始める。
まず手始めに淳仁天皇をクビに(廃する)して自分が再び天皇となり、太政大臣禅師と言う新しい位を作ってそこに道鏡を任命し、さらに法王と言うもはやこいつを次期天皇にすると言わんばかりの役職に彼を就けた。
しかしいくら道鏡を偉くしたところで所詮はただの僧侶であり、天皇にすると言おうものなら周囲がどんな手を使ってでも止めに入るであろうことは容易に想像できる。
そこで彼女が考えたのは「天の神様と言う通り」大作戦だ。
まあ要するに、神から次期天皇についてお告げがあった、宇佐神宮という神社にそのお告げが書かれた章があるからそれを私のところまで持ってきて読み上げろ!と言ったのである。
この大役を任されてしまったのが和気清麻呂、和気広虫兄弟である。彼らからすればたまったものではなかっただろうがこの2人が英雄だった。
なんと彼らは自らの判断で「このままではいけない」と用意されていた章を書き換え、それを持ち帰り孝謙太上天皇(この時は再び天皇の座に就いていたので称徳天皇)の前で「次の天皇として道鏡は相応しくない」と書かれています。と述べたのだ。
当然八百長を仕込んでいた称徳天皇は大激怒し
彼らの名前をお前は清くなんかないしお前の心は広くなんてない!!!!!
と、2人の名前を「わけのきたなまろ」、「わけのせまむし」と変えてしまった
流石新しいくらいを作り出すセンスの持ち主とだけあって名前のセンスも抜群である。
しかし名前を変えられてしまった不憫な2人のお陰で道鏡は果たして天皇になることはなく、血筋は守られたのであった。
彼らの勇気のお陰でこの国の歴史が変わったのだと思うと、その不名誉な名前もまるで勲章のように思えてくると私は思うのであった