コンサート日記525九州編(亀井聖矢×リサイタルツアー2024) | チャーリーの音楽の旅 ~ゴールド金賞~

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うろうろしていた台風10号も低気圧に変わり、被害を受けた地域の方々には申し訳ないが、予定通りリサイタルは開催、JR九州も動き出したので亀井くんを聴きにいってきましたグラサン

 

それにしても前日まで交通機関がマヒしていましたが、8/29岡山シンフォニーホールでのリサイタルが終わり、マネージャーさんが運転する車で6時間かけて来福したそうリムジン前

 

こういうトークを演奏の合間に挟んでツカミはOKおば様方は「あ~ら大変だったわねえ~~ヨシヨシ。」と一発で目がハートになっていましたてへぺろ

 

おば様パワーに負けないようにゴーゴーカレーでエネチャージ

台風一過の青空(アクロス前)

入館

到着

お馴染みフォトスポットカメラ

2024年8月31日

アクロス福岡シンフォニーホール

亀井聖矢

リサイタルツアー2024

福岡公演

 

【第1部】

イタリア協奏曲 BWV 971(J.C.バッハ)

第1楽章 (Allegro)楽譜上ではなく慣例による

第2楽章 Andante 

第3楽章 Presto


マズルカ op.17(F.ショパン)

1.Vivace

2.Lento ma non troppo

3.Legato assai

4.Lento


ポロネーズ第5番嬰ヘ短調 op.44(F.ショパン)

Maestoso - Tempo di mazurka


ポロネーズ第6番変イ長調 op.53「英雄」

(F.ショパン)

 

【第2部】
バラード 第3番 変イ長調 op.47(F.ショパン)
バラード 第4番 ヘ短調 op.52(F.ショパン)


ピアノソナタ 第7番 変ロ長調 op.83「戦争ソナタ」

(S.S.プロコフィエフ)

第1楽章 Allegro inquieto - Andantino

第2楽章 Andante caloroso

第3楽章 Precipitato

 

【アンコール】

ノクターン第8番変ニ長調Op. 27-2(F.ショパン)

ラ・カンパネラ(F.リスト)

 

昨年のリサイタルはコチラ

 

今回の印象も昨年とベースは変わらないのですが、ただ演目により変わる印象も全体としては少し端正さが増して、オーバーサウンドが減った感じでしたニコ

 

さて第1曲のJ.C.B.の「クラヴィーア練習曲集」第二巻第1曲「イタリア趣味によるコンツェルト」(通称:イタリア協奏曲)は、明朗快活な両端楽章と優美な緩徐楽章、急-緩-急の3楽章からなり、イタリア趣味によるというよりもイタリア的な音型や語法をふんだんにちりばめた、初期古典派のクラヴィーア・ソナタへと結実する原型となる楽曲です

 

前置きが長くなりましたが、二段鍵盤のチェンバロよりもより表現の多彩さを実現できる現代ピアノで演奏される理由もそこにあり、亀井くんの緩徐楽章の表現は多彩でしたが両端楽章はもう少し複数旋律が整理されそぎ落とされた方が好みかなあせる

 

右サイド席から鑑賞

 

ご存じのようにショパンは故国ポーランドが11月蜂起で政情不安となり、止むなくワルシャワからウィーン・パリへと移り住んだわけですが、帰国出来ず永眠するまで愛国心の人でした

 

そんな彼はポーランドの民族舞踊に基づく音型を用いて数々の作曲を行ったなかに、2曲目のマズルカもありましたが、華やかでゴージャスなポロネーズと比してどちらかと言うと田舎の素朴なダンスですね

 

マズルカ音型

 

軽やかで大胆な17-1から始まり、ホ短調でやや愁いを帯びた17-2、和声進行に特徴がある17-3、典型的なマズルカ書法でかかれた17-4と各曲の性格を的確に弾き分けていました合格

 

 

時に「悲劇的」の愛称で呼ばれる5番、英雄ポロネーズとよばれる6番は有名であるとともに、ピアノ作品としては大作ですが、もうこれくらいは余裕の演奏で一段レベルアップしたよう

 

三部構成の5番は中間部のマズルカを挟んで序奏と3つの主題部を持つ前半と、マズルカのあとの再現部は圧縮されて2つの主題部で構成されていますが、冒頭から展開される三連符・四連符が聴き手を引きつけました

 

6番英雄はもう切れ味もタッチ・アーティキュレーション・ダイナミックスetc.まあ文句のつけようはありませんでした爆笑

 

No.5

No.6

作曲家としてのショパンは、オペラや標題音楽・宗教音楽はほぼ皆無であり、ピアノによって独自のロマン主義的世界観を描き出すことにこだわった「ピアノの詩人」というところですかね

 

バラードとは~というそもそも論は置いとくとして、18世紀末のドイツ詩人によるロマン主義文学の萌芽としてバラードは発達し、文学と歌曲が相互に刺激し合ってシューベルトたちの歌曲につながり、ショパンによるピアノのバラードという新たな境地に至るわけです

 

No.3

「バラード 第3番」の作曲に取り組んでいた1841年頃、マジョルカ島で患った病から解放されショパンは、公私ともにノアンとパリで充実した日々を送る彼が書き下ろしたバラードで、1番2番と違い溌剌とした喜びに満ちた作風です

 

これとは対比をなす4番はショパンの最高傑作のひとつと謳われますが、演奏難易度もMAXな名曲となりますが、テクニックましましの亀井くんにはなんくるないさ~でしたニコ

 

4番の形式はロンドに近いがより自由であり、各主題は反復の度にダイナミックに形を変化させ、単調なリズムの上に主題を豊かに変化させる作風は物語的で控えめな主題の提示には、鬱々とした影で覆われているかのような仄暗さが感じられますうーん

 

作曲時に親友マトゥシンスキや恩師ジヴニーの死去も要因か~この曲を絶頂としてショパンは死へと向かっていくのですが・・・もやもや

 

No.4

それにしても後半は名曲ばかりなうえに亀井くんの演奏も素晴らしく、ただただ聴きいるばかりでした目がハート

 

 

 

ピアノソナタNo.7は、それまで米国やパリで暮らしていたプロコフィエフがソビエトに戻り、彼の創作活動の円熟期ともいえる時期に作曲された作品で、奏者に高度なテクを要求すると同時に、強烈な印象を与えるダイナミックさと美しい叙情性を見事に兼ね備えたピアノ・ソナタ史の中でも特筆すべき傑作と言われていますにっこり

 

プロコフィエフは未完成のものを除き生涯で9曲のピアノ・ソナタを書き残していますが、第2次大戦中に書かれた第6番~第8番が「戦争ソナタ」と呼ばれていますひらめき電球これらの3作はいずれも完成度が高く、特にこの第7番は発表された当時大きな反響を呼んだそうです

 

大戦やソヴィエト体制の深刻な社会状況が当然作品に反映されていると考えられていますが、隙のない構成美や野性的な活力といったプロコフィエフの音楽的魅力が余すことなく発揮されており、作品それ自体で圧倒的な存在感で我々に迫ってきますラブ

 

今回もいつもの決めポース連発

 

今回の目当ての楽曲はプロコ7だったので十分満足のリサイタルとなりましたが、そもそもオケ専の私は熱狂するホールの他の来場客ほどに涙あふれる感動とまではいかず、その点はおば様族が若干うらやましいところでしたキョロキョロ

 

コンサートの構成曲とその演奏はなかなかのレベルでしたが、ベトやバッハをじっくり聴かせる境地を切り開いていくのが、このままショパン路線を突き進むのかは判りませんが今後も他の若手ピアニスト同様に期待していますうさぎのぬいぐるみ

 

来福ありがとうございました音譜そして沖縄がラストとなる全国ツアーご苦労様でした日本国旗

 

熱狂カーテンコール

 

アンコール

 

 

 

P.S.雑感

今回のチケットはリリース日が仕事で朝までは10時スタートを覚えていたものの、思い出したときには12時ですでにソールドアウトでした絶望

 

コンサートの感想をやりとりしているブロ友さんが、都合で行けないからどうぞとチケットを譲ってくれたので、望外のコンサートを鑑賞することができましたプレゼントありがとうございました

 

次回はコチラ