カーテンの隙間から部屋に引かれた月灯りの直線 ──
似て非なる直線を僕は知ってる。
カーテンを閉め切った部屋に射す、あの一筋の線と同じ種類の光だ。
....光源が違う分、温度も湿度も色も違うけれど、線の上で踊る粒子は同じリズムで舞っている。
孤高の極をなす、月と太陽。
陰と陽
アルテミスとアポロン
銀の矢と金の矢
繊細さと力強さ
気高さと眩しさ....
孤高の極をなす、月と太陽。
月夜が照らすのは隠しておきたい心情
太陽が照らすのは隠しておけない表情
「月夜が照らすのは、隠しておきたい心情。」
時を刻む秒針の音、そして、命の記憶を刻み続ける鼓動。
陽があるうちには聞き逃す音に支配されてしまうのは、月夜がもたらす狂気が成せる業か。
凍らせなくていい。
封印する必要もない。
記憶を全て消してしまえばいい。
―― 出逢ったことすらなかったことに。