2017.5.20 のNHK NEWS WEB

第三者からの”卵子提供”遅れる法整備

 

少し前にネットニュースで見て、心に残っているニュースです。

自分の備忘録のために書き留めておきます。

引用部分は、青色の斜体にしてあります。

 

卵子提供についてご存じない方は、記事をご参照くださいませ。

 

まず、私の心に突き刺さったのは、卵子提供で子どもを授かった夫婦のコメント。

「妊娠、出産、育児を通して『生きる希望』ができたと感じています。子どもがほしいと強く感じていながらも病気のために恵まれず現在も苦しんでいる人が大勢います。そういう方々の希望になれば幸いです。ドナー(提供者)に深く深く感謝しています」

 

そうか。

妊娠・出産・育児って、生きる希望なんだー。

じゃ、子どもがいない人は生きる希望がないのかな。

私は子どもがいなくても、希望持って生きていきたいんだけど。

 

(少し話が変わりますが、少し前に某引き寄せブロガーさんの記事を読んでいたら、「引き寄せで妊娠できましたハート」という喜びのコメントがありました。「妊娠してわかったことは、妊娠していなかった時も幸せだったということです。」とのことでした。

いやいや、妊娠できたからこそ言えるセリフだよね?と、心の中でツッコミさせていただきました。)

 

子どもが授かるということは、幸せなことだと思いますけど、何というか、あまりにも手放しで喜んでいる人に対しては、「大丈夫ですか?気は確かですか?」と、正気に戻したくなってしまいます・・・。

冷静になりましょうよ。

 

そして、卵子提供の背景にある問題。

 

・卵子提供で生まれた子どもは、産んだ女性と遺伝上のつながりがないため、社会的な立場が不安定で、相続の権利がないと、裁判で訴えられる可能性がある。


・卵子提供で生まれた子どもに、遺伝上の親を知る権利「出自を知る権利」があるかどうかが不明確である。

ちなみに、日本で戦後まもなくから行われてきた精子提供で生まれた人は、すでに1万5000人いるそうです。治療については日本産科婦人科学会がガイドラインを定めていますが、子どもの「出自を知る権利」は認められていないそうです。

 

精子提供で生まれたことを、みずから明らかにしている人がいます。加藤英明さん(43)です。大学の医学部に通っていた29歳の時、研究で家族の血液を調べたことがきっかけで、自分が精子提供で生まれたことを知りました。

“突然、思いもよらなかった事実を突きつけられ、これまでの人生がうそのうえに成り立っていたと感じ、自分が誰なのか分からなくなった”といいます。
両親は、「親子」の根底にある大切な情報をなぜ教えてくれなかったのか。遺伝性の病気があったらどうするのか、同じ精子提供者から生まれた女性と「近親婚」のおそれがあるのではないか…。次々に不安がわき出てきたといいます。
加藤さんは、10年以上経った今でも遺伝上の父親を探し続けています。しかしいまだに見つからず、出自を知ることの難しさを感じて悩み続けているといいます。

 

実は私、「卵子提供なら私も子どもが持てるかもな」、と考えたことはありましたが、生まれた子どもの気持ちまで想像したことはありませんでした。どんだけ独りよがりのエゴの塊なんだろうか、と気が付いた次第でして。

 

今回の卵子提供の動きについて、精子提供で生まれた加藤さんに意見を聞くと、「いわば『大人側の希望』を優先して先に進んでしまった印象です。自分のようにすでに精子提供で生まれた子どもが苦しんで声を上げているのに、何も解決していない。同じ問題を抱える卵子提供で子どもが生まれ、苦しむ子どもが増えてしまうことを、とても危惧しています」と話していました。

またNPOが、学会の精子提供の方針とは異なり、子どもに「出自を知る権利」を確保するとしていることについては、「あくまで民間の仕組みなので不安要素がたくさんあります。卵子提供によって生まれたことを、両親が子どもに伝えるためのカウンセリングなど、サポート態勢は整っているのか。情報の管理はできているのか。生まれてから15年後に本当に子どもが権利を行使できるのか、裏付けが何もないと感じます」と話しています。
そのうえで、子どもが成長する過程も丁寧にサポートし、出自を知る権利が行使されたかどうかを公表するなど、長期にわたって責任を持つべきだと話していました。

 

何というか、重い言葉であります。

最後は、こんな言葉で締められていました。

 

東洋大学の中村恵教授は、「不利益を被るのは子どもです。現実に子どもが生まれている中、治療の是非や情報管理などの仕組み作りなどを民間に委ねるべきではなく、国が急いで議論を行うべきです」と話していました。
技術の進歩は不妊に悩む多くの夫婦に福音をもたらしてきましたが、一方で子どもの権利は保証されていないままです。
第三者による生殖補助医療で子どもを授かることにも、議論がありますが、実際に子どもが生まれている現状を踏まえて、親も子も幸せであり続けるために必要な制度の整備を行うべき時期に来ているといえます。

 

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