さて、見終わった。
結果報告である。

まあ、ネタ晴らしはしないので、死者数と、主な事件の犯人の数のみ列挙。

死者:4人(男性3人、女性1人)。
犯人数:3人(うち2人死亡)。

房事シーン:0回。
裸が出てくるシーン:1回(叶和貴子、当然ダミーである)。

そして、今回の明智先生の見せ所。

今回は1回。
着物からラメ入りの黒いスーツに早変わりである。

先生以外でも、計2回、2人によるベリベリがあった。

さて、演技陣。

田中明夫は、いつもの悪役演技である。

中条きよしは、一曲歌いそうな美男である。
まあ、遠山左衛門尉と遊び人の金さんの区別がつかないテレビの中である。
言われるまで、ある人物と同一人物だとは気が付かないのがお約束である。

叶和貴子は、まだほっぺたプクプク。
伊藤つかさ、あるいは出始めの頃の中森明菜である。

そして、荒井注さん。
相変わらず困ったおじさんキャラクター全開である。
でも凄いね。
今、こんな役やれる俳優さん、なかなかいない。
どこか嘘くさくなってしまうのである。

ところで、原作は「陰獣」。
「少年探偵団」の世界しか知らない乱歩ファンにとって、この重苦しさはまた別の乱歩世界への入口になるのである。

美女のバラバラ死体、殺害した死体に衣装を着せて立たせる、性的倒錯、屋敷内の牢獄等々。
これらは、言うならば、すべて人権を無視した戦前の不条理・不合理な世界への一種抵抗の手段だったように思える。
まあ、その抵抗も、結局、て人の人権を抑圧してのみ成立している世界である。

この不条理・不合理の世界を体感した世代であるから、描き得る世界なのである。
このシリーズを描いた人たちは、たぶん、大正から昭和・戦前期に生活した人たち。
あの鬱屈した時代を体感しているから、何とか描けていると思う。

故に、このシリーズが描かれた1980年代以降、これらエロ・グロ・ナンセンスで不条理・不合理な乱歩の世界は、映画・ドラマ等ではなかなか描き得ぬ世界になっている。

「少年探偵団」の世界だって、かなりデオドラントしても、描きにくそう。
第一、明智先生、タバコも吸えないし、浪越警部の話す冗談は全てハラスメントになるのである。

高見千佳、小野田真之の文代・小林少年の二人には、今後に期待するばかりなのである。

来週も楽しみにするのである。