増山江威子さんが亡くなられた。

80代も後半なのだから、これは仕方がないことなのである。

もう、峰不二子に関しては、他のサイトを確認されたし。

筆者が耳に親しんだ増山江威子さんの演技を思い出す。

まず、「ひょっこりひょうたん島」のテケ。
ちょっとおっちょこちょいで喰いしんぼうなキャラクターである。

挿入歌「勉強なさい」の中で、テケが歌うのである。
「そうだとも、泣けーちゃあううなー、いーまの一言みんな、忘れるーなー」
こう歌うと楠トシエの演ずるサンデー先生が「テケさんも、ね」と合の手を入れる。
「はい」と答えるテケ。

実は、歌の他の部分は忘れているのだが、このフレーズだけは忘れていないのである。
男の子の声でメインは、このくらいか。
(堀絢子が可愛らしいプリンちゃんなんだから、素晴らしい珍しさである。)

後は「悟空の大冒険」の竜子も彼女か。

その後が、「アンデルセン物語」のキャンティ。
山田康雄とは、ここですでに、キャンティとズッコでコンビを組んでいた。
テーマ曲の「キャンティの歌」を今、彼女の声で聴いたら、本当に涙が出そうである。

それから、「天才バカボン」のママ。
原作者の赤塚不二夫先生が、ママは増山さんでなければだめだと言ったのだそうだ。
なので、「バカボン」全五作、全部ママは増山江威子さんだ。

そして、「山ねずみロッキーチャック」のポリー。
あそこまで、素直に自分の感情に従って生きるキャラクターも素晴らしかった。

「キューティーハニー」の決め言葉も最高である。

海外アニメでは「スカイキッドブラック魔王」のポッピー。
「ここよ、ここよー」と言いながら、ブラック魔王たちを馬鹿にしながら、飛び回る伝書鳩である。
あれじゃ、ブラック魔王も怒り心頭である。

「ネコジャラ市の11人」のミケ・ランジェロの歌も良かった。

ここまで書いてわかってきた。

テレビばっかり見ていた筆者の同世代にとり、この人の声は、頭の中に固着し、さまざまなアーキタイプになっているようである。

新作はもう聞けない。
過去の作品をリピートしつつ、この俳優さんの偉業を偲ぶのである。

増山江威子さんの御冥福を心よりお祈りします。