今回の夢と希望、千石船に乗ってみたい、である。

千石船。
正確には「弁才船」と言うらしい。
江戸時代から昭和の初めまで使われた木造の貨物輸送の船である。

詳しいことは、各自調べられたし。

江戸時代までは、日本国内の海上輸送の主力だったようだ。

この時代を舞台にした小説等では、押し込み強盗にあったり主人がお奉行さまと悪いことを企む「廻船問屋」が出てくる。
この問屋さんは、今でいったら、海上輸送の会社である。
この千石船で江戸・大阪、瀬戸内海、日本海の港に荷物を運んでいたのである。

「清水次郎長」で、「江戸っ子だってね、寿司喰いねぇ」と言って森の石松が話をする場所は、この千石船の上。
江戸時代を舞台にした古い映画でも、この船、けっこう出てくる。

一度、乗ってみたい。
実際はかなり小さいものだと思う。
調べてみた。
最大のもので、長さ29m、幅7.4m。
今の隅田川の水上バス「エメラルダス」が長さ34m、幅8.4m。
水上バスより一回り小さいくらいか。

しかし、この大きさで沿岸とはいえ、太平洋や日本海を航行したのである。
当然、エンジン無しの帆だけでの移動である。

ちょっと冒険である。
大阪の博物館に復元した船があるようだ。

試しに乗ってみたい。
実物の上に立ち、当時の人たちが感じた怖さや不安感、そして、夢と希望を体感したいのである。

【蛇足】
ちなみに、この博物館、年間3億円の赤字が出るので廃止されたそうだ。
上方のあの政党の行う施策は、文化・学術・伝統を破壊、敵視していたけれど、こんなところでも活躍していた。
この先どうなるかわからない何とか博覧会の方が、よっぽど大赤字になると思うが、いや、言うまい言うまい。