BS松竹東急で日曜日にかかっているドラマ「江戸川乱歩 美女シリーズ」。

今回は「悪魔のような美女」である。
原作は「黒蜥蜴」である。

黒蜥蜴は、小川真由美だ。
女ねずみ小僧ではない。
何だろうね。
悪い女性を演じてさまになる女優さんは、けっこう厳選されてしまう。
けっこううまく行っているのがこの女優さんである。

ストーリーは、皆さん、ご存知。
この世の美男美女を拉致して、人間の剥製にして、美男美女剥製美術館を作ろうとする倒錯した姐さんである。

過去に何回か、この作品、映画やドラマ、舞台になっている。
それらの中でもこのドラマは、けっこう破綻なくまとまっている。

以下、感じたことを箇条書き。

・冒頭2分で重要なポイントが流れるので注意。
このシリーズ、冒頭2分くらいで重要なポイントが流れるので、要注意である。

・宅麻伸、美青年のままで剥製化される。
若き日の宅麻伸(託摩繁春)が、剥製にされる美青年で登場。
その後見事に剥製化されて、微動だにしない演技が見ものである(途中、チョコチョコ動くところがご愛嬌)。

・清水省吾が部下の雨宮だ。
その後、犬のクーちゃんと仲良くなる清水省吾が、黒蜥蜴の部下の雨宮役で登場である。
ところで、彼をあの水槽に沈めて殺害したのは誰だ。
警察か、小林少年か、文代か。
誰も罪に問われないのか。

・柳生博が岩瀬庄兵衛(宝石商)だ。
スタンダードな演技である。

・大前均が船長だ。
あんまり出てこなかったけれど、大前均が船長だ。
警察相手にひと暴れしてくれるシーンなんか見たかったな。

・小川真由美がギャラが高そう。
上記で有名な俳優さんはおしまい。
たぶん、小川真由美にギャラが喰われたのだろう。

・脚本を見たら、ジェームス三木だった。
おお、そうか。
戦前昭和の屈託を子どもの頃に経験し、戦後の自由を謳歌した脚本家が、思いっきり書いた作品である。
結構楽しめた。

・松吉が可哀そう。
この作品では、松吉と雨宮が可哀そうだった。
ジェームズ三木が酷薄な脚本家であることが露呈したのである。

この一連の「美女シリーズ」の中で、この作品が最もバランスよくまとまっている気がするのである。
予算があれば、もっと派手にやってほしかったのだが、その点も含めて、バランスが良かったと思う。

また来週も見るのである。