た、一昔前のものである。
今回は、個人商店である。
まだ機能はしているが、命脈は立たれつつあるものである。

【簡単な説明】
個人で営業している店舗。

【活躍時期】
古代から現在まで。

【絶滅危惧状態に至った時期】
インターネットの普及とチェーン店・大規模店舗の進捗のよる。

【コメント】
今回は、大きな括り。
個人商店である。

昔は、ちょっとした小さな商店の集まりが、町内ごとにあったのである。
島元立石の実家近辺をイメージする。
自家製の豆腐屋さん、パン屋さん、ラーメン屋さん、床屋さん、風呂屋さん、酒屋さん、乾物屋さん、肉屋さん、タバコ屋さん等々。
50mから200m以内にこの手の店がたくさんあった。
筆者が子どもの頃は、よく親からおつかいを頼まれたものであった。

思い返すに、今、実家のそばのこれ等のお店は、悉く廃業してしまった。

原因はいくつかあげられる。
列挙する。

・チェーン店の台頭。
コンビニエンスストアは、1970年代くらいからか。
便利なものがすぐ買えるお店ができてきた。

・大規模店舗の台頭。
これも、1970年代くらいからか。
それでも、地域のお店と、上手く共存してきたのである。

・インターネットの普及。
これが一番大きいか。
必要なものを必要な時に、すぐに供給するインフラストラクチャーが確立された。
2000年代に入ってからくらいか。

そう。

このあたりから、インターネットの最良のコスト管理によって確立されたチェーン店システムが、個人商店を圧迫し出した。
中華料理「帯広屋」(仮名)のシステムで来られたら、一般の町中華の価格設定では、絶対に太刀打ちできない。
「海胆黒洋品店」(仮名)の安価さで来られたら、商店街の洋品店はすぐ廃業である。
「格落ち」酒店の小売値は、通常の酒屋さんの卸値より安かったと、酒屋さん嘆いていたそうだ。

かくして、個人商店の命運は風前の灯火となる。

そして、後継者不足。
昔のような「酒屋の小僧さん」は、とっくに絶滅してしまった。
どのお店も家族経営である。
しかし、今、これらのお店を切り盛りしている世代は、筆者たちよりはるか上の世代。
筆者の同世代あたりは、もう、学校を出た後、親の仕事を継ぐなんてことは、ほとんどせず。

まだ畳屋とか技術系ならば、後を継ぐ人たちはいたけれど、小売系はほとんどいなかったのではなかろうか。

かくして、後継者不在も重なってくる。
近所の長年のお得意さんたちも、あちらに行かれてしまったら「これでいいか」とやめる人もたくさんいるようである。

まあ、時よ時節。
まさか、インターネットの普及がここまで個人商店の消滅を促進するとは思わなかった。

しかしながら、チェーン店や大規模店が、盤石であるとも言えない。

この先どうなるかは、わからない。
一般市民はできることをできるだけやるしかない。

時の流れを見据えて、次の一手を考えるしかないのである。