還暦雑言+4である。

年を取ると、お寺と親しくなるようだ。

まず、結婚式とか「冠婚葬祭」の「冠婚」の方がどんどん減ってくる。
同輩・同僚たちの結婚が過ぎて、後輩たちも終わり、自分の子どもたち世代が終わると、まず声がかからなくなる。

そうなると、「葬祭」ばかりである。

祖父母の代が終わり、親の代の葬式が多くなる。
しばしば、順番を間違えてしまい、早世する人もいるが、おおよそ年の通りとなる。

そして、いつの間にか、自分がお寺とのさまざまな交渉事をする役割を担ってくる。

実家の父がそうなってきた。
兄弟の上の方が亡くなり、そのたびに葬儀・告別式に行く。
そのうち、自分の妻が亡くなり、積極的にお寺に行くようになる。

そうなると、いろいろな段取りとかを考えるようになり、お寺のご住職や奥さんと顔見知りになって行くのである。

運転手をやっている筆者も、だんだんとその手順が分かってきたのである。

長く生きてしまうと、森繁久彌みたいに今度は自分の息子世代を送ることになって行く。
長生きのつらいところは、その部分であろう。

まあ、その役割を担う年に、筆者も近づいてきた。
有難いことに、周辺には早トチリをする同級生はいない。

きちんとその役割を担えるように、いろいろと勉強を進めておくのである。