漫画家の鳥山明さんが亡くなった。

筆者の世代だったら、漫画「Dr.スランプ」が印象的だった。

独特な可愛らしい線と、デフォルメされたメカ。
今から思うと、1980年代の明るい雰囲気に、ちょうどぴったりの作品だったのである。

個人的には、この作品が一番好きだったのである。

さまざまな兵器やメカが、あの丸まっちい線で描かれると、愛くるしい生き物にも見える。
素晴らしい作品だったのである。

もう、連載終了から40年も経つのである。
今の高校生あたりにしてみれば、生まれる20年以上前に流行ったものになるか。

後は「ドラゴンクエスト」のキャラクターデザイン。
考えてみれば、目の粗いテレビゲームのRPGの世界である。
これを、幅広く奥行き深く心の中で展開でき、楽しめたのは、鳥山明のあのイラストが保管してくれたからだと思う。

「ドラゴンボール」は、いろいろな視点がある。
世界中で流行ったようだが、一時期の荒れた絵を見てしまったら、後半の一時期の「男一匹ガキ大将」を思い出してしまった。

ので、ちょっと読んではいなかったのである。

そう思うと、40年間、この世界は、続いているということになるか。

そして、享年が68。
筆者より4つ上なだけである。

かなりなショックである。
本当にやりたいこと、やってみたかったことは、貫き通せたのか。
ふと、そんなことが気になってしまった。

ショックを受けた人は、多いだろう。

まず、野沢雅子さん。
「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる先生だったら、自分の兄世代の人である。
悲しさは、上の人を送る気持ちである。

「銀河鉄道999」の松本零士先生は、ほぼ同世代。
悲しさは、同世代を送る気持ちになる。

しかし、鳥山明の場合は自分の子どもの世代である。
前の二人の先生を送る時より、ショックが激しかったのではなかろうか。

とてもつらいと思うのである。

それから、編集者の鳥嶋和彦さん。
かのDr.マシリトのモデルである。

二人で一緒に新しい世界を作り出し、これからもさまざまな形でいろいろなことをできると思っていたはず。
その仲間に68歳で先立たれたら、これはつらいはずである。

まずは、一番大好きな鳥山明先生のマンガを思い出し、彼の死を悼むことにするのである。

鳥山明さんのご冥福を心よりお祈りいたします。