「巨人の星」や「あしたのジョー」の原作者の梶原一騎は、スポーツ系の劇画を中心とした作家である。
「ガッチャマン」や「タイムボカン」等の作者で、タツノコ山脈の源流である吉田竜夫とは、接点がなさそうに感じる。
しかし、さにあらず。
昭和30年代の半ば、「チャンピオン太」(「ちゃんぴ・おんた」とは読まない)というマンガを、原作・梶原一騎、画・吉田竜夫というコンビで描いているのである。
ネットで絵を見ると、「マッハGoGoGo」の三船剛君を筋骨隆々にしたような大東太君が主人公。
たしか、力道山先生のところ(日本プロレス協会か)に入門。
来日するほぼ犯罪者のような悪役プロレスラーや国内の空手の名人(お師匠様は「姿三四郎」に出てくる檜垣源之助に違いない)などと戦うのである。
当然、太くん、卑怯な手は使わず、正々堂々と戦って日本男児の矜持を見せてくれるのである。
もう思いっきり、「少年倶楽部」イズムバリバリの作品で、見ていて愉快になる作品である。
テレビドラマ化もされ、本物の力道山や新人だった猪木寛至の出てくるお宝ものの作品になっている。
二人の接点は、「チャンピオン太」以降はなかったように思われる。
でも、この二人、意外に一番底の部分では、同じ水脈でつながっていそうだ。
タツノコのキャラクターの皆さん、どちらかと言えば皆、筋骨隆々。
敵の暴力には正々堂々暴力で戦っている。
そして、梶原一騎も吉田竜夫も、どちらも「大衆文学」としての流れを汲む作品を造り続けている。
どちらの作品も、マニアは寄り付かず、一般的なファンに支えられている。
(漫画専門店でこの作家たちの本を見つけるのは、手塚先生の本を探すより難しそうだ。
つまり、一般のファンが普通に書店に売られている時に求められる本なのだ。)
さてはて、「チャンピオン太」の後、この二人の関係がどうであったかは、まったく不明ではある。
でも、1970年代に、それぞれ別の形で「大衆文学」としてのマンガ・アニメを育てたのだから、やはり偉大な作家なのである。
今頃、極楽で力道山も交えて豪快にプロレス談義でもしていそうだ。
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