半閉鎖(以北は運転見合わせ)
このくらいではファンはへこたれないですね。
お芝居もショーも熱かった。
やはり寺田さんのメロディは中毒性が有るようです。
ただその印象的なメロディも、
この観劇は、マイ楽ですが、
さすがに轟さんの存在にも慣れました。というより、
轟さんはもとより主人公一人だけが悩み逡巡するお役(
初演時の轟さんは、声にもヴィジュアルにも威力があり、
またきいちゃんの役造りが「若すぎる」
むしろ、ラヴィックがジョアンに寄せなければならないのでは…。
またジョアンは、
きいちゃんは今回パンフレットの中で、
それまでの生徒さんの得てきたものを、重く見ない形で、
長くなりますが、縣千くんが新公の練習で轟さんのお芝居を(見て研究した)ようにおっしゃっていました。以前から聞いているように、轟さんはやはり、新公生徒に直接教えるようなことはされないようです。相手役さんとはお芝居を合わせなければならないんで、それなりに打合せるのでしょうが、新公で特に何もされない。これは彼女のポリシーなんでしょうか?より広く、多くの生徒さんに彼女の経験を伝えようとするなら、やはり言葉で伝えられた方がいいと思うのですが…。ずっとそのスタイルでこられたので、もう変えようもないのでしょうね。
縣くんのラヴィックは、轟さんのものとは違っていたが、ちゃんとラヴィックで魅力的だった。という評が多かったですが、これもそのお稽古の効用だと思いますし、同時にラヴィックという役の本来のあり方を示していたのかもしれないと感じました。
お芝居の最後で、収容所に向かうラヴィックさん。みなさんの薬とかもっと持っていかれたほうがいいのでは…。といつも失礼なことを感じつつお見送りしておりました。
そして聴かせてもらえる合唱は、すがすがしく美しくて大好きです。
ガートボニートもさすがにテーマを覚えました。
感じるのはだいもんの充実。ベッドに身をまかせての挑発でこれだけドキドキさせてくれる。
目に入るのは男性でも女性でもない「宝塚の男役」の色気の発散、そして声の威力。彼女の16年の男役としての研鑚が、これだけのかたちに結晶して観客に提示される。有無を言わせないトップの風格だと思います。
まさに旬のトップさんの美しさと豊かさ。これを観てこそ宝塚の公演に来た値打ちがあると言えるのではないでしょうか。
紫の大きなクッションに、なんだかクラクラしてしまいました。
そしてまたきいちゃんの声の威力。お芝居での一般的な娘役トップの台詞声としても、明らかに際立つ美しさ。
そして歌唱は裏声も地声も強くしなやかで豊かな響き。正確な音程とリズム。
クルクル変わる表情の可愛らしさに、いつまでも彼女のパフォーマンスを観ていたいと感じさせてもらえます。
このふたりの組合せは、やはり今の宝塚が誇るエンターテイナーコンビだと思います。
「宝塚らしくない」とおっしゃる向きもあるかもしれません。でもふたりに、例えば和物のお芝居と伝統的な宝塚レビューを演じてもらっても、とても魅力的な公演になることは想像に難くありませんし、むしろ彼女らを中心とする雪組のファンはそのような公演にも期待していると思います。
この公演を観重ねていけば、ショーの雪組生のパフォーマンスに、観客はますます魅了されていくでしょう。同時にお芝居の単調さ、古さには残念ながら退屈を覚えるようになると思います。キラキラしていて、何度も観ていたい何かがあれば、そんなことはないのでしょうが…。
お芝居の中で一番重要なラブロマンスに、少なくない観客が違和感を持ってしまうことは、やはりマイナスです。どうすればその違和感がなくなるか、答ははっきりしているだけに、無理でも何とかならないのかと思ってしまいます。
実はこの観劇以来、昨日今日と荒天具合は酷くなる一方でした。
地震に大雨、いろんなことが起こった公演でしたが、そのたびごとに雪組生達は精一杯のパフォーマンスをみせてくれました。だいもんを中心に、より結束の高まった忘れられない公演になるのではないかなと思っています。