十月大歌舞伎 | Blog ばったもんのめっけもん


ただいま歌舞伎座! 

https://www.kabuki-bito.jp/theaters/kabukiza/play/687/

 

 

ちがう、「ただいま」でもないんだけども。ここは私の家ではない。
けども2月以来!
公演中止やオンライン配信を経て復活した「舞台」。


仁左衛門さんは
「やっと舞台に立てる」
「残念なことは、本来の形でのお芝居ができないこと」
「こんな状況下の中、わざわざ来てくださるお客様に、『ああ、来てよかったな』と思っていただけるようにがんばりたい」
https://spice.eplus.jp/articles/275602
役者の、その齢、そのときにしかない状態で務める役を、生で感じられること。そして、声の響きと奥行きを感じられる空間が、劇場。
オンラインで歌舞伎の新しいカタチが生まれ触れやすくなった一方、
生の舞台の価値を思い知らされたこの半年。

それについて真っ向から臨んだのが、玉三郎さんの
『映像×舞踊 特別公演 口上(こうじょう)・楊貴妃(ようきひ)』
舞台と客席、舞台上と舞台裏、舞台と映像、役と役者。
相対する二者を融合し、ひとつの演目に仕立てた。
観客を入れた舞台とはどういうものなのか、それを改めて捉えなおした。
「劇場にお客様をお迎えするにあたって、我々役者が舞台上からどのような光景を見ているのか、皆様に感じていただきたかった」
という口上が印象に残った。
口上後の『楊貴妃』、使われた映像は、私が初めて歌舞伎を観たときのものだった。私個人にとっては、時間をも超えた。
映像のなかの楊貴妃(玉さま)と方士(市川中車さん。大和田専務でありカマキリにもなる)と、いま目の前の現実の楊貴妃の舞が邂逅した。

歌舞伎座。
コロナの影響と対策によって、従来のイメージからすると正直「え・・!」となることも多かった。
一席おきや消毒はもちろん、ロビーを含め飲食の禁止。
ゆえに、廊下を賑やかしていた仲見世や幕の内弁当の文化は消滅(地下の仲見世は営業中)。
会話も慎むようにということで、大向うは禁止。
シーンと静まり返ったなかで、妙な緊張感がある客席。
3階はひとつおきの客席は埋まっていたけど、桟敷席は販売中止。
本来なら華やかな1階席も空きがあった。
長いエスカレーターの壁面広告は、歌舞伎公演からお店のものに入れ替わっていた。まだまだ各地の公演は復活できていない。

劇場側の対策はこれでもかとされてるので、あとは個々人で無理なく足を運べるようになれればいいなと思う。