国立映画アーカイブ「映画プロデューサー 黒澤満」 | Blog ばったもんのめっけもん


国立映画アーカイブ「映画プロデューサー 黒澤満」
https://www.nfaj.go.jp/exhibition/kurosawa201812/
観たい作品いっぱいだったけど結局これだけになってしまった・・
でもこの作品の日で良かった!!『またまたあぶない刑事』。


個人的に、問答無用に好きなのが『もっとも』 https://youtu.be/3Z7MJulFd-w 、
特別な思い入れが『さらば』 https://youtu.be/KNqgfiq0C-0 、
兎に角楽しくてカタルシスしか残らないのが『またまた』 https://youtu.be/na7gDmirgg0 。
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◆冒頭での舞台挨拶&トークショー
一倉治雄監督
脚本:柏原寛司先生・大川俊道先生
それぞれから、黒澤さんや『あぶ刑事』について語られた。
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【一倉監督の御話】
あぶ刑事TV第1話は、まっさらからひとつひとつを決めていく現場。
オールラッシュ後に日テレのプロデューサーからは「面白いことは面白いけど、アドリブや冗談が過ぎてこれが限界だね」。
無言を決め込んだ長谷部監督に、黒澤さんは「あぶない刑事の”あぶない”ってどういうことか」と。
「アドリブやお遊びがあって、それをもっともっとやるべきで、それがあってのハードボイルドを創ろう」、
「もし、恭兵とかのアドリブがつまらないときがあっても、気持ちよく最後までやらせてやろう。それを大切にしよう」
黒澤さんと長谷部さんの矜持、腹が決まった瞬間に立ち会えた。『あぶない刑事』という作品が決まった瞬間。
『またまた』は自分にとって初の長編監督作だけど、”『あぶない刑事』になってる”自負はある。
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【大川先生の御話】
当時の自分はかなり浮かれてたんで、いちおう周りに相談はしたけど、制作スタートのタイミングでハワイへ。
旅行中に打ち合わせが開催されてて色々決まってた。。
黒澤さんは「悩んだり迷ってるなら、とにかくやっちまえ」という人。
なにがあぶないって、プロデューサーが一番あぶなかったと思う。
黒澤さんは当時、仲村トオルさんが所属していたセントラル・アーツの社長でもあったので、「トオルを(何でもいいから)立たせてやってくれ」と言っていた。その結果、脇から徐々に存在感を増していった町田透くん。
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【柏原先生の御話】
『またまた』の脚本で、悪い奴からは流石にお金もらわないだろうどうしようと悩んでたら、「やっちまえ」と黒澤さんが言ってああいう話になった。
深く考えると突っ込みどころがあるぶっ飛んだ話でも「やっちまえ」と言ってくれるので、とてもやりやすいプロデューサーでした。
黒澤さんが(生前、今回の企画用に)選んだのが、いくつもある「あぶ刑事」作品のなかでも『またまた』なので、今日は楽しんでください。
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御三方ともTVや映画のクレジットで御名前を何遍も拝見してきた「レジェンド」で、まさかこうしてお目にかかれる日がくるなんて、と。。
(いやもう、大野雄二さん、村川透監督、柏原先生 とお話しできる機会をもてるのも未だに夢みたいだけど)
一倉監督とは本当に初めてで、佇まいも素敵なかたということもあって、サインをいただく際にも

「ちょっと感激で・・本当にありがとうございます」という言葉しか出なかったんだけども、「今日はありがとう」と優しく返してくださいました。
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いざ上映が始まると、当時のフィルムの独特な質感。そしてこの音響がたまらない!!!

何回もDVDで観たとて、劇場で観るって別格。
また、すごいのは、「笑うポイントで皆笑う」。
恐らくこの作品を見尽くしてる人たちばっかりが観に来てるのに、まんまと笑う。
自分も声出して笑っちゃったんだけど、それって凄いことだなと。
あと、自分だけじゃなくて他の人も一緒に笑ってるってのが問答無用に嬉しいし、この作品の力。
柴田恭兵さんが「ああ楽しかった、で劇場を出たときになんも残らない作品」を目指してると『さらば』のときなどに仰ってたけど、『またまた』はその珠玉。
あぶ刑事の映画作品のなかで、明確に「次」が決まってたのって『またまた』だけということもあるのか(他は当時といては「これが最後(かも)」という)、気負いがなくて本当に楽しい。
『またまた』本編の最後、TVシリーズのオープニング https://youtu.be/V9CUWpamCIk が流れるのは、その2か月後に始まるTV新シリーズへの繋がりだったのかなーとおもったり。