今年は令和6年であり、西暦2024年であり、皇紀2684年であり、仏歴2567年にあたります。

西暦2024年(令和6年)は仏暦2567年

 私たちが普通に使うのは、令和6年か西暦2024年の二種類でしょう。

 神道を信仰している人は皇紀2684年を使い、仏教の勉強をしている人は仏歴2567年を使う方もおられるのではないでしょうか。

 ではそれぞれの歴の数え方は、何を基準にしているのでしょうか。

 西暦2024年は日本の元号では令和6年ですね。

 平成だと36年、昭和だと99年にあたります。

 日本では今現在の年を数える方法として、元号と西暦の両方を使うことが多いですが、その他にも様々な暦の数え方をしている人がいます。

西暦はキリストが生まれた翌年から数える

 日本人にとって一番よく使用されているのが「西暦」ですね。

グレゴリオ暦とも表現されます。

 これはキリスト教の救世主イエス・キリストが生まれたとされる年の翌年を一年目、西暦元年として数え始めています。(正確には紀元前6年~4年の間に生まれたそうです)

 復活した年と間違えられることもありますが、誕生した年が起点です。

 

 今回は仏暦をテーマに暦について考えていきます。

 加えて仏暦と皇紀の覚え方もご紹介します。

元号は新たな時代の節目

日本でなじみのあるのが「元号」ですね。

 元号は皇帝や天皇が即位する時や、世の中が天変地異等によって混乱しているときに、新たな時代を迎える為に用いてきた数え方です。

 なので鎌倉時代のような世の動乱期には、元号がたびたび変わっていました。

 天皇一代で5回も元号を変えることもあったのです。

皇紀は初代天皇神武が即位した年から数える

 皇紀を使っている人は少ないように感じますが、ご年配に話を聞きますと、尋常小学校で元号と一緒に覚えさせられたとも言います。

 ご年配の方には懐かしい数え方ではないでしょうか

建国記念の日 | かとチャンと仏教ブログ (ameblo.jp)

にも詳しくお伝えしました。

 皇紀(こうき)・皇暦(こうれき)・神武暦(じんむれき)など表現はいろいろありますが、

 正式なのは「神武天皇即位紀元」とされ、明治政府の時に西暦紀元前660年が神武天皇が即位したとされる年として神武天皇即位紀元元年とするように定めました。

 戦後GHQにより廃止されるまでは「紀元節」として国を挙げてお祀りしました。 

仏暦はお釈迦様が亡くなった年を基準に数える

 さて今回のメインテーマ「仏暦(ぶつれき)」は「仏滅紀元(ぶつめつきげん)」とも表現されます。

 六曜の仏滅とは関係ないので間違えないようにしてください。

 仏滅紀元とありますように、釈迦仏が入滅した(亡くなった)年が基準です。

 しかし正確には、お釈迦様が亡くなったとされる年ははっきりされていません。

 南伝仏教の地域、東南アジアでは、西暦紀元前624生まれ~前544年入滅の説が主流です。

 一方で、中国・韓国・日本に伝わった北伝仏教では、西暦紀元前463生まれ~前383年入滅の説もあります。

 またその他にもたくさんの説があります。(西暦紀元前3世紀のアショーカ王の仏跡巡礼などから計算されていることが多いです)

 仏暦のことを「タイの仏暦」・「タイ暦」ともいわれることもありますように、南伝仏教による入滅の年を仏滅紀元元年としています。

 日本でもどういうわけか、西暦紀元前543年が仏滅紀元元年として、仏暦をカウントしています。

 このように、西暦はイエス・キリストの誕生した年が基準です。

 同じように仏暦も、お釈迦様の誕生した年からだと勘違いしがちです。

 仏暦は仏滅紀元と表現するように、お釈迦様が亡くなられた年を基準とします。

 ではなぜ今は仏歴をしようしないんでしょう。 

 そりゃ当たり前でしょうと思うでしょうが、日常生活において元号が使いにくいように西暦による考えが浸透している現代では、あえて仏暦を使う必要がないのです。

 しかし全く使われていないかと言えば、そんなことはありません。

 仏教ではお釈迦様のお生まれになった日を降誕会(4月8日)として法要をいたします。

 それと同時に亡くなられた日も涅槃会(2月15日)として盛大に法要をいたします。

 仏教では死が穢れであったり、死が不幸なことではありません。

 むしろ避けることができない事実としてとらえ、その事実を見つめ、先に亡くなられた方々を諸仏として偲ぶ中に、後の人が仏法に出あうご縁をいただいていきます。

 ですので他の紀年法が誕生や即位などを記念するのとは異なり、

仏教を開かれたお釈迦様の亡くなられた年を起点とする仏暦とは、仏法を聞きいただいていく後の私たちにとって「最大のご縁」であり、「最大の関心」となるのだと思います。

 例えば私たちは祖父母や両親が亡くなった後に、毎年誕生日のお祝いをしますか?

おそらくしないでしょう。

 しかし毎年のご命日のお勤めはするでしょう。

 もちろん仏教も生まれたということを大切にします。

 しかしそれ以上に、残された人たちに死という人間としての根源的な悩みを示す節目が重要なのだと思います。

仏暦は仏教の開祖であるお釈迦様の亡くなられた年を基準にしています。

普段は西暦や元号を使いますが、仏教行事をする時には仏暦も採用し、心の中の関心事として仏法のご縁を届けられた仏様に思いはせていくのだと感じます。

 

 ここからは、ミニ知識として仏暦と皇紀の簡単な覚え方についてお話します。

 仏暦と皇紀は、西暦元年からの差は「543年」と「543年+117年」です。

 つまり西暦の年数から「+543」と「+660」した数字が仏暦と皇紀の年になります。

 どうやって「543」と「117」を覚えたらいいのかと言う人に、語呂合わせの覚え方を教えます。

 「543・117」を「こよみ(暦)・いいな」で覚えてみて下さい。

 「こよみいいな」を繰り返し唱えてください。語呂もよく覚えやすいでしょ。

仏暦の求め方

仏暦 = 西暦 + 543(こよみ)

皇紀の求め方

皇紀 = 西暦 + 543+117(こよみ いいな)

今年は西暦2024年なので

2024+543=2567年(仏歴)

2024+543+117=2684年(皇紀)となるわけです。