「荒島岳」は不遇の百名山だと思っている。
荒島岳は標高1,520m。低山の部類に入るだろう。
夏は暑くて登れないし山小屋もない、テン場もない。
沢も滝もないし・・・ほとんど見どころがない。
すぐ隣にある白山と比較され、荒島岳ってなんで百名山なの?深田久弥のおひざ元だから?などと陰口をたたかれているような存在である。
Googleで「荒島岳」「百名山」と入力してみてほしい。
予測候補として「なぜ」が出てきてしまうのだ。
それだけみんな荒島岳が百名山に名を連ねる理由がわからず首をかしげているということだろう。
自分もこれまで荒島岳に登ったのは2回だけ、夏と冬のそれぞれ1回ずつしか登っていない。
白山は100回以上登っているのに…
確かに日本中の200名山、300名山を見渡せば他に素晴らしい山はたくさんある。
そして夏の荒島岳に登っただけだと正直「ふーん・・・」という感じてしまうのもわかる。
だが、冬の荒島岳は一味違う。
稜線の風貌はまるでアルプスのようで張り出した雪庇なんかもすごい迫力だ。
大野の街から眺めても真っ白な荒島岳は圧倒的な風格を感じさせる。
冬の白山に登ろうとするとスーパーファットでも15時間以上かけて往復しなければならないが、荒島岳なら10時間以内で行って帰ってこれる。
それに白山に登ったら白山は見えないが、荒島岳からなら冬の白山をドーンと眺めることができるのだ。
アルプス並みの風格を持っていて、庶民に身近な山、それが荒島岳が百名山たる所以なのではないか、そんな風に感じている。
この写真だけ見たら1500mの山容には見えない。(2013年3月撮影)
「北アルプスです」といってもわからないよね。
大野の町からサクッと登れてしまう身近なところもこの山の素晴らしいところだ。