日本百名山、二百名山、三百名山は誰もが知っていると思うが、○○名山というのは他にも数多く存在する。
県別の百名山もそのひとつ。
故郷山梨にも「山梨百名山」というのがあるし長野には「信州百名山」、岐阜には「岐阜百山」というものがある。
山梨百名山にはいつか登ってみたいが遠いのでここ数年で踏破というのは難しそうだ。
自分が住む石川県には目立った山はそれほど多くない。正直白山くらいか。
次点で笈ヶ岳とか大笠山とかそこそこ有名な山もあるが選りすぐりの100山を選ぶほどの数はない。
一方でお隣富山県はその名の通り名だたる名山がたくさんある。
立山、剱岳をはじめ薬師岳、白馬岳、黒部五郎岳、雪倉岳など。
やはり北アルプスを抱えているのは大きい。
富山には「富山の百山」というものがある。
実は石川ミリオンピークスのNishidenさんが2020/4/21時点で既に96座を踏破しておりあと4座を残すのみとなっている。
(ちなみに自分はいつの間にか51座)
是非今年中には完登を…と思っていたがこのコロナ騒動でどうなることやら。
富山の百山には著名な山はもちろんだが、マイナーでちょっと行きにくい山も含まれている。
石川と富山の県境にある笈ヶ岳は登山道がないことで有名だが同じく難しい山のひとつに「黒部別山」という標高2,535 mの山がある。
立山三山(雄山、浄土山、別山)の「別山」とは全く別物で、夏道はなく藪を漕いでいくしかないという険しい山だ。
立山の奥地に位置しており日帰り困難、近くにテン場も小屋もないので行くなら残雪期にテン泊で行くしかない。
ちなみにヤマレコにもこの山の記録は2020/4/21時点で8件しか登録されていない。
黒部別山の位置関係。内蔵助平と剱沢の間に位置している。
そんなマニアックな山とはつゆ知らず、自分も2016年04月23日(土) ~ 2016年04月24日(日)の2日間でNishidenさんに誘われてこの山に向かった。
Nishidenさんは当時から富山の百山を意識していたのだろうが、自分的には「富山の珍しい山があるようなので行ってみよう」という軽いノリだった。
アルペンルートで室堂まで向かい、そこからテン泊装備の山スキーで内蔵助カールへ、更にそこから北上しハシゴ谷乗越まで登り返して雪上テン泊。
翌日ツボ足で黒部別山までピストンしてからテント撤収、剱沢までスキーで滑って剣御前から雷鳥沢経由で室堂まで戻るという周回ルートだった。
雪山バリルートのアドベンチャー感、テン泊の山籠もり感、山スキーの爽快感など山の魅力をいっぺんに味わうことができる素晴らしい山行だったと記憶している。
日本百名山は完璧に整備された登山道を「歩かされている」感も否めないが、マイナーな○○名山を歩くことで黒部別山のようなまだ見ぬ秘境を味わうことができるかもしれない。
立山室堂~黒部別山へのルート。
初日はハシゴ谷乗越で雪上テン泊。この後雨が降ってテント内で缶詰になっていた。
春山といえばザラメ雪コーヒー
黒部別山から眺める立山。左が雄山。
剱岳の眺めも抜群。






