5/11 富士山 須走口~剣ヶ峰へ | がんちゃんの雪山讃歌

がんちゃんの雪山讃歌

石川の山スキーヤーがんちゃんが登山、山スキーを中心とした日常生活や山への想いをつづります。
ヤマレコもやってます。(HN:Sanchan33)

 

昨日は予定通りビッグな富士山を滑ってきた。

 

富士山に登って滑ろうと思うといくつかアプローチの方法はあるが、今回はまだ行ったことがない「須走口」から攻めることにした。

 

須走口は富士山の北東面、標高1,970mに位置しており、他の登山口と比べると相対的に標高が低く山頂までの距離も長い。

 

そのため登るのは大変だが滑る距離も長くなるのでガッツリ登ってガッツリ滑ろうというスキーヤーにとっては良いルートだと思っていた。

 

今回同行するパクとは去年の5月に吉田大沢を滑っているが、ぜひ今年もということでお互い初めてとなる須走口から登ってみることにした。

 

今回の富士山は須走口からアプローチする。北東面に位置するので雪は豊富だ。

 

須走口五合目登山口の駐車場まで一台で向かう。数人の登山者が準備をしていた。

 

五合目登山口でのんびり時間をかけて準備をする。

 

高度順応のためだ。

 

富士山の最高地点は言わずと知れた「3,776m」ということで2番目に高い北岳(3,193m)と比べて約600mも高い。

 

無防備な状態で登ると簡単にバテてしまったり高山病を引き起こす可能性があるので慎重に準備を進める必要がある。

 

自分もパクもここから登るのは初めてなのでGPSを見ながら適当に森の中に突っ込む。

 

登山口の標識とかあったがショートカットしようと無視してしまった。

 

登山道に依存しない雪山登山をやってるとそういう行動が多くなる傾向があるかもあせる

 

いきなり夏道を探して森の中をショートカット。

 

目論見通り夏道と合流したら淡々と歩いて高度を上げていく。

 

今回は少し出発が遅かったので先行しているたくさんの登山者や山スキーヤーが行く先に見えていた。

 

そして富士山の法則、ピークは近くに見えているがなかなか近づかない。

 

富士山は歩いている最中もほとんど景色が変わらないので精神的に辛い。そして酸素が薄いので体も重い。

 

登山道の雪が切れたら脇の樹林帯へ逃げる。

 

雪が繋がったら大斜面を前にシール歩行

 

背後には山中湖と自衛隊の北富士演習場が見えている

 

空気が薄い…体が重い。やっぱり富士山は特別だ。

 

雪が緩み過ぎて斜度もきついのでスキーは担ぐことにした。

 

歩いては立ち止まって息を整える。体は疲れていないのにガンガン登れないので歯がゆい。

 

ようやく吉田口頂上へ。スタートから5時間かかった。やっぱり須走からは遠い。

 

ただ登って滑るだけならお鉢から来た道を滑ればよいのだが、やっぱりピークの剣ヶ峰は登っておきたい。

 

それにお釜滑走もやらないとなんとなく不完全燃焼な感じがする。

 

ということで、反時計回りでお鉢巡りをしつつ剣ヶ峰に登頂、そこからお釜滑走して登り返し、再びぐるっと御鉢巡りをすることにした。

 

御鉢に着いた頃にはガスがかかり始めていたが、時折晴れ間も覗いてくれた。

 

さあ日本最高地点の剣ヶ峰へ。

 

ウィペット2本とアイゼンで山頂へ登り詰める。

 

日本最高地点ゴール!自身4回目。

 

山頂からスキーを履いてお釜滑走へGO!

 

上部はカリカリだったが中間部は新雪が降ったらしくモナカ気味ながら楽しく滑走。

 

パクは崖の隙間からダイブ!

 

ワイルドなお釜滑走

 

釜底に近づくにつれてザラメ雪に変わってきた

 

これが釜底(火口)の景色だ

 

板を担いで再びお鉢まで標高差200mを登り返す。

 

標高3,500mを超えた地点から200mの登り返しというのは空気が薄くて本当につらい。

 

富士宮口頂上まで来た。もう登らなくていい。

 

だがこういうちょこっとした登りでも脚が重い。エベレストとか行ったらどうなるのか。

 

さあ最後のお楽しみ、滑走タイム!

 

この時期に一枚バーンを標高差1,000m以上滑走できるなんて富士山鳥海山以外厳しいのではないだろうか。

 

時間は14時を過ぎている、気温が下がってきたので斜面上部は再氷結し始めていた。

 

もう少し、あと1時間早くスタートすればよかった。来年はそうしよう。

 

斜面上部は硬くなり始めていた。

 

下部は重めのザラメ雪。

 

グサグサだが楽しい、これが山スキーだ。

 

標高2,360mまで滑って終了!

 

あとは板を担いでザレ場のブル道をザクザクと下っていく。

 

スキーブーツは傷つくがこの時のためにSCARPAベクターで来た。ごめん、ベクター。

 

400mほど下ったら駐車場脇に出た。いい感じのルートだった。このザレ場は登りでは使いたくないけど。

 

ザレ場をガンガン下っていく。

 

標高が下がってくると酸素のありがたみがわかる。気温も一気に暖かくなってきた。

 

須走口ゴール!良い一日でした。

 

ということで、今年も良いコンディションの下富士山を滑れてよかった。

 

来年も絶対に来たいと思う。

 

ルートやコースタイムなど、詳細情報はヤマレコへ!