5/4 秋田駒ヶ岳 五山踏破 | がんちゃんの雪山讃歌

がんちゃんの雪山讃歌

石川の山スキーヤーがんちゃんが登山、山スキーを中心とした日常生活や山への想いをつづります。
ヤマレコもやってます。(HN:Sanchan33)

昨日はYSHR先生、パクと3人で秋田の名峰「秋田駒ヶ岳」に行ってきた。

 

秋田駒ヶ岳は2百名山のひとつで山スキーの山だということは知っていたが、詳細は正直良く知らなかった。

 

前日鳥海山から下山したらその足でスタート地点となる田沢湖スキー場へ移動。

 

車で約2時間、鳥海山まで7時間かけて来たことを思えば2時間くらいどうということはない。

 

田沢湖から秋田駒ヶ岳を眺めると…雪がない!

 

本当に翌日滑ることができるのか不安だったがYSHR先生的にはまあ大丈夫でしょって感じだったのでここは信じることにする。

 

朝3時に出発ということだったので2時に起床して準備開始。

 

3時前に全員揃ってスタートした。

 

スタート地点は全く雪はなかったので板を担いで行く。

 

暗闇のゲレンデを淡々と歩いていくが、どうも様子がおかしい、藪が多すぎる。

 

ルートを確認すると計画したルートとずれていた。

 

まあそのまま行ってもリカバリーできるので藪に突っ込む。今思えばこの時点でアドベンチャーは始まっていた。

朝3時にスタート地点となるスキー場を出発するも藪ルートに突っ込む羽目に

 

藪から脱出した頃には辺りが明るくなっていた。

 

ようやく雪が繋がって沢筋を詰めていくが…

 

スキーでは登れずシートラで雪壁を直登

 

YSHR先生雪壁をクリア

 

60度くらいある壁だった。だが登り切れば朝の素晴らしい景色が待っていてくれた。

 

乳頭山

 

森吉山

 

八幡平

 

秋田駒ヶ岳の主峰である「男女岳」のトラバースルートを目指すが最後は雪が切れて藪漕ぎ再開となった。

 

まるで沢登りの最後の源頭といった感じだ。

 

スキーを担いでスキーブーツで登るのが辛い、これは果たして山スキーと呼べるのか。

男女岳のトラバースルートへ向けて最後の試練

 

まるで沢登りみたいだ

 

田沢湖をバックに影秋田駒ヶ岳

 

何とかトラバースルートまで登り詰めると遠くに前日登った鳥海山が浮かんで見えた。

 

他のどの山より存在感があり、どこからでもそれが「鳥海山」であることを判別できる、ランドマークとしても素晴らしい山だと改めて思った。

遠くに鳥海山が浮かんでいた

 

今回は秋田駒ヶ岳の主峰である「男女岳」に登るだけではなく、五山(男女岳、男岳、女岳、横岳、小岳)のすべてを登ろうということになった。

 

とはいえ、他の登山者で溢れかえる前にまずは主峰の「男女岳」に登ってしまおう。

雪渓をつないで男女岳を目指そう

 

男女岳の山頂に向かって素晴らしいザラメ斜面が広がっていた。

 

右手には岩手山がドン!

 

男岳越しに再び鳥海山が見える

 

青森の名峰「八甲田山」も意外と近い

 

まずは1座目、男女岳登頂!

 

次はおいしそうな男女岳のザラメ斜面をいただきつつ2座目となる「横岳」を目指すことにする。

 

行先は都度3人で議論しながら決めていった。

 

こうやって臨機応変に雪の状況を見ながら議論してルートを決める過程も楽しい。

シャバランチ会長がかっ飛ばす

 

阿弥陀池にてまさかの池渡りの術。YSHR先生が最初に突っ込んだ…信じられん行為だ(笑)

 

横岳に向かって稜線を歩く。遠くに見えるのは早池峰山

 

2座目横岳登頂!

 

次は3座目の「男岳」へ。

 

この山はその名の通り荒々しい山容で、両側に素晴らしいスキー向けの急斜面が広がっていた。

男岳に向かって切りたった稜線をシールで登っていく

 

奥に見えるのが男岳のピーク。左の急斜面を滑走する。

 

3座目、「男岳」登頂!

 

次は4座目となる「小岳」を目指す。

 

その前に男岳からの豪快な滑走が待っている。

 

恐らく本日一番の急斜面、気温も上がって快適ザラメ斜面になっているはずだ。

男岳からの滑走タイム!

 

急斜面にエントリー!最高のザラメ斜面だ。

 

前日の鳥海山に続き今日も脳汁垂れまくり

 

YSHR先生もご機嫌滑走

 

そして4座目、小岳登頂!

 

次はいよいよラスト、5座目の「女岳」を目指す。

 

もうどれくらい滑って登り返しただろう…累積標高に換算するとそれなりになりそうだ。

まるでフジツボのような形の小岳をバックに女岳に登る。

 

女岳にはケルンが置かれていた。すぐ隣には火山ガスがモクモクと立ち上っていた。

 

男岳から横岳に続く稜線を眺める。

 

ラスト5座目の「女岳」登頂でミッションコンプリート!

 

さあ今度は女岳からの滑走だ。

 

ここも極上ザラメが約束されている。

 

女岳を滑ったら最後標高差200mを登り返して男女岳からの最後の滑走に挑む。

女岳からの滑走

 

楽しそうなシャバランチ会長

 

男岳の鞍部まで200m登り返したところでYSHR先生から信じられない提案が。

 

「もう一度男岳に登って滑走しよう」だって。

 

まあいいですけど、最後スッキリ滑れるし…ほんと物好きですね。

ということで2度目の男岳へ。

 

2度目の男岳でも記念撮影する徹底ぶり(笑)

 

男岳の北面を気持ちよく滑降。こちらも素晴らしい斜面だった。

 

男岳のシュプールを眺めてご満悦。

 

さあ、後は滑って終わり!と言いたいところだったが、試練は最後まで続いた。

 

ラスト男女岳のルンゼ滑走を前に崖の下りが待っていた。

 

普通に秋田駒ヶ岳を滑って登るだけならどうということはないのに、やりすぎ山スキーって感じ。

雪を求めて崖を下る

 

ラスト、男女岳の北面ルンゼ滑走

 

YSHR先生がまさかのコブラツリーを発見!秋田駒ヶ岳にもいたんですね。

 

ということで、当初雪がないのでは?との心配をよそに、終わってみればお腹いっぱいの山スキーとなった。

 

アドベンチャーもあり、極上ザラメの快適スキーも楽しめて改めて山スキーが総合格闘技であることを再認識させられた。

 

秋田駒ヶ岳、無雪期には混雑する山だと聞いているが、ゴールデンウィークにも関わらず静かな貸切駒ヶ岳を楽しむことができて大満足の山行となった。

 

ルート等詳細情報はヤマレコへ!